南山大学

 

研究活動 活動報告

 

映画「カーンチワラム:サリーを織る人」上映会 

[開催日] 日時:2016年12月12日(土)13:30-16:30
[会場] 南山大学EB棟B21教室
[講師]

杉本良男

概要

  • プログラム
  • <シンポジウム概要>  
    宗教組織はどのように「経営」されているのか。つまりいかなる目的をいかな る方法で達成しようとしているのか。そしてそのプロセスはどのように展開して いるのか。本シンポジウムではこの問題について、タイの仏法センター、ブルキ ナファソのコーラン学校、インドのヒンドゥー寺院、日本の巡礼観光会社を事例 として、人類学的なアプローチから分析する。つまり世界各地に存在している、 目的・構成員・規模・持続性などにおいて多種多様な宗教組織を、民族誌的に叙 述する。こうした作業を通じて、これまで等閑視されてきたような宗教実践・現 象の一側面を浮き彫りにすることを目的とする。
  • <各報告・質疑応答の概要>
    本作は、インド独立直後の1948年、シルク・サリー生産で有名な南インド、タミルナードゥ州カーンチワラム(カーンチ―プラム)を舞台に、手織りシルク・サリー職人が悲惨な労働環境のもと、貧困にあえぎ、権力にはげしく抵抗しながら生活を改善しようと奔走するすがたをリアルに、美しい画像で描いた作品である。2008年度インドの最優秀作品賞に輝いたほか、海外でもいくつかの賞を受賞している。 映画上映後に、長年にわたって当地でフィールドワークをしている杉本良男(国立民族学博物館・名誉教授)が、国内有数のシルク・サリー産地となったカーンチワラムの歴史や、現代ファッションとしてサリーが消費されるようになるなかで、シルク・サリー職人の仕事が立ち行かなくなってきている現状について解説した。 フロアからは、職人とカーストの関係、インドにおける伝統の保護政策に関する質問がなされた。当日は約70名の参加者があった。アンケートでは、ハッピーエンドではない内容についての悲しさ、辛さ、やるせなさを訴える感想も多かったが、主人公の職人として、夫や父として、革命家としての多面的な生き様が、インドの歴史社会をよく照射しており、理解を深める一助になったのではないだろうか。


当日の様子

サガヤラージ氏の挨拶

会場の様子


杉本氏の解説