南山大学

 

研究活動 活動報告

講演「アンデスにおけるアーバニゼーション(都市化)についての概念的挑戦」

[開催日] 2011年06月27日(月)11:00〜12:30
[会場] 南山大学人類学研究所1F会議室
[講師] ペルー・カトリック大学教授:クリストフ・マコフスキ博士

概要

当日約20名の参加者があった。パワーポイントを用い、スペイン語で講演が行われた。人類学研究所第2種研究員である渡部が通訳を務めた。

都市化(アーバニゼーション)は人類史における大きな出来事である。これについては様々な研究者が議論をしてきた。例えば考古学者ゴードン・チャイルドが「都市革命」という概念を提出したが、現在ではその概念は批判的に検討されている。

講演者であるマコフスキ博士は、旧大陸の考古学が専門であったが博士号を取得後アンデス考古学研究に従事している。講演でもその経歴に重ね合わせるように、まず旧大陸の都市の事例、都市研究に用いられる概念をレビューし、次にアンデスの都市の事例を比較するという手順で話を進められた。

旧大陸の事例をもとに構築されたモデルが新大陸アンデスの都市を説明する際には不十分であることを認めつつ、アンデスの都市の特徴は何か、またアーバニゼーションを理解する枠組みを再構築するにはどうしたらよいのか、について意見を述べられた。また最後には地震が発掘調査を進めているパチャカマ遺跡のデータを提示され、インカ王が代わるごとに新しい建物を建て、それが同じ都市内で排他的な関係にあった、という興味深い説を展開された。

マコフスキ博士が今回触れなかった東アジアの都市について詳しい日本人研究者との間に、あるいは都市を形成しなかった地域を研究対象とする研究者との間に活発な議論が展開されることが予想されたが、扱う事例の多さのため、時間ぎりぎりまで話され、ディスカッションの時間がとれなかったのは残念である。

当日の様子

人類研にてマコフスキ教授と