2003年8月の雑記




≪8月1日≫


★今朝早くポーランドのラファル君が来日し、これでザビエルハウスの今年度のメンバーがそろった。今年度は全部で8名になる。この夏にやってきた新メンバーは、このポーランドのラファルと、プラフル(インド)とジョゼフ(インド)の3名。去年の秋にやってきたビンイン(米国)、エペン(インドネシア)、ジョン(インドネシア)の3人はこれでめでたく「先輩」に昇格した。これに指導スタッフであるムンカダさんと私を加えて8名である。今年も楽しくなりそうだ。みなさん、新しいメンバーをどうぞよろしく。

★ところで、藤沢の友人がこういう不思議なものをプレゼントしてくれた↓



これはいったい何だろうか?どういうわけか、唯一の手がかりである説明書きの右半分が失われている。なぜだ?陰謀か?人に知られては困ることが書かれていたのかもしれない。事件のにおいがする。こういうナゾめいたものが私は大好きである。では解明を試みてみよう。

2個セッ・・・
キャンペーン・・・

これはたぶん「2個セット(なんとかかんとか)キャンペーン」ということなのだろう。何のキャンペーンだったのかは不明である。

携帯画面も・・・

携帯画面も、いったいどうだというのか。「携帯画面もキクロンでピッカピカ」とでも書いてあったのだろうか・・いやしかしキクロンなんかで携帯をごしごしやったら画面がズタズタになってしまうのではないか(ベトベトに濡らすのもマズそうだし)。おや、待てよ。その下の文章にナゾをとく鍵がありそうだ。

当商品(キクロンA2個組)をお買い・・・
日頃の感謝の気持ちをこめて、「キ・・・
ル携帯画面クリーナーPAT.P」をもれ・・・


この断片から推測されることは、これがキャンペーン当時、キクロン2個組セットにもれなく付いてきたということ、それは日頃からキクロンを愛用してやまない者への会社からの感謝の品であること、そして、これが「携帯画面クリーナー」であるということである。裏返して見ると、この小さなキクロンの形をしたプラスチックの板の裏面には、クッション付きの怪しげな布が貼ってある。なるほどこれで携帯の画面を拭くというわけか。鎖が付いているところを見ると、これはどこかにぶら下げておくことが想定されているようである。あるいは身に着けて携帯とともに持ち歩き、画面に顔の脂が付くたびにこのクリーナーをスチャと取り出してシコシコふき取ることを想定しているのかも知れない・・・。そんな人がいるのだろうか・・・。いやしかし、この物件の最大のナゾというべきは、その名である。

「キ・・・ル携帯画面クリーナーPAT.P」

キ○○○ル・・・?この失われた箇所にはいったい何が書かれていたのだろうか?「キ」で始まり「ル」で終わる言葉・・・。言っておくが間違ってもこれは「キンチョール」ではない(誰も思わんか)。商品はあくまで「キクロン」である。したがってこれは恐らく、「キクロン○○○ル携帯画面クリーナー」だったのであろう。しかるに、「○○○ル」とはいったい何?「キクロン・クルクル携帯画面クリーナー」か?いやこれではあまりに語呂が悪すぎる(それにクルクル回しても意味ないし)。では、「キクロン・ミラクル携帯画面クリーナー」か?しかしミラクル(驚異的な)というほどのシロモノではないように思える・・・。わからん・・。ナゾだ・・。え〜いナゾだ。真実が知りた〜い!

・・というわけで、このナゾの失われた言葉、あなたはどう読み解きますかな?よかったら掲示板にお書き込みくだされ。


(その後掲示板でM.G.さんという方が「キクロン・オリジナル携帯画面クリーナー」と読んではどうかとご意見をくださった。なるほど。説得力のある読み方である。少なくとも「クルクル」や「ミラクル」よりはずっとそれっぽい。)



≪8月6日≫

★暑い。セミもわさわさ鳴いている。いやぁ夏になりましたなー。

暑いと言っても私の研究室はクーラーが効いているので、涼しくて快適なのである。ありがたいことである。今年はクーラーのありがたさが身にしみる。というのも先日長崎に帰省した時、クーラー無しの夏の暮らしを味わったからである。母がクーラー嫌いなので実家にはクーラーがないのだ。しかるに、我が家は丘の上に建ち、日当たりがすこぶる良好なのである。家の中は日中まるでサウナの様。居間に掛けてある温度計が30度を指していた・・・。きっと長く暮らしていれば体が慣れてくるのだろうが、帰省中の3日間私はずっと汗をかきっぱなしであった。

★長崎に帰省した時、姉の息子(小学6年生)が持っていた「ワンピース」というマンガを読んだ。

 (第29巻。これが現在のところ最新巻である)

このマンガがとても人気があるということは知っていた。テレビでもやっている。しかしまだテレビで見たことも、原作を読んだこともなかった。帰省中は特にすることがなくヒマだったので、ちょっと読ませてもらったのだ。いやこれは実に面白い作品だと思った。そこで名古屋に帰ってきて第1巻から今出ている最新巻まで全部読んでみた。そして見事にハマってしまった。すばらしい。感動だ。元気が出る。ストーリーが魅力満点だし、セリフもかっこ良い。好きだなぁこういうの。まだ読んだことのない人はぜひ読んでみるべし。(今度は少年ジャンプの回し者になってしまった・・・)。




≪8月9日≫


★この夏に来日した3人のザビエルハウスの新メンバーのためのオリエンテーションを兼ねて、木曽の馬籠(まごめ)と妻籠(つまご)へ遠足に行ってきた。大型の台風10号が接近していたので雨を心配していたが、幸い小雨に時折降られた程度であった。まずは馬籠へ。馬籠の古い宿場町をしばらく散歩した後、車で妻籠に移動し、そこで同様に昔の宿場町の情景を味わった。水戸黄門によく出てくるような古風で風情のある町並みが味わい深かった。

初めは日帰りの予定だったのだが、台風が接近していて帰り道が少々危険だということで宿泊していくことにした。妻籠から一本道を40分ばかり行ったところにある昼神(ひるがみ)温泉。天竜川の支流である阿智川(あちがわ)に沿って建てられた温泉郷である。なかなか良いところだった。町の人たちも旅館の人たちも、我々が出会った人たちはみんな明るく親切な方ばかりで、とても気持ちがよかった。森林の美しい景色を見ながら露天風呂をたっぷり楽しんだ。台風による土砂降りの雨が降ってきたのはその後のことである。うちの連中の日ごろの行いが良いためか(私の行いはさておき)、とてもラッキ−であった。




≪8月11日≫

★こないだ木曾に遠足に行ったときに見つけた看板。



いやぁ・・こうはっきりと宣告されるとドキリとしますなー(真っ赤な文字がまた凄みを出している)。コンビニのゴミを道路わきにポイ捨てした経験のある人は、これを見たらなんとも後ろめたい気持ちになるのではないだろうか。もしポイ捨てした直後にこの看板に出くわしたりしたら、「わあぁぁ〜!オレが悪かったー!すっすみませ〜ん」と、深く反省することだろう。これを見て、「ふん」と鼻で笑い、あえてゴミをこの場に捨てて行くような人は、社会生活上かなり問題がある。実際、ゴミの不法投棄は立派な犯罪なのであるから、ポイ捨てをした人は犯罪者とみなされても仕方あるまい。誰も見ていないからこっそり捨てちゃえ、というような人は、自分の品格を自分で下げているのである。誰も見ていなくても自分自身が見ているではないか。「悪い人」ではなく「高潔な人」となるよう、心しましょうぞ。




≪8月13日≫

★先日私が「ワンピース」というマンガにはまっていることをお話したが、アメリカ在住の友人が、そのマンガが連載されている『少年ジャンプ』に英語版があることを教えてくれた。アメリカで今すごく人気なのだそうである。ネットで検索してみたら、ホームページが見つかった。



←ここに注目!
Read right to left.(「右から左に読んでください」)










『SHONEN JUMP』。私はてっきり「少年」が「Boy」に英訳されているものと思い、見つけるのにいらぬ手間をかけてしまった。(Boy's Jumpで検索したら、「走り幅跳び」や「走り高跳び」の試合の結果などが出てくる・・・)。「少年」の部分が英訳されずにそのまま「SHONEN」となっているのは、「少年ジャンプ」でひとつの固有名詞だからであろう。上の画像をクリックするとそのホームページにジャンプする。壁紙やグリーティング・カードがダウンロードできたりして、けっこう訪問しがいのあるホームページである。

☆ちょっと追加。 今自宅に帰ってきて部屋のパソコンで見て初めて気づいたが、よく見ると上の矢印で示したように、「右から左へ読んでください」という注意書きが書かれている。なるほど、そういや洋書は日本の本と開く方向が逆である。アメリカでは本は左から右に読むのが常識なのだ。マンガの場合、コマに番号がついてないから、右のコマから左のコマへ、右ページから左ページへ、という日本では当然となっている順序を知らないと、ビデオの逆回しみたいに、物語が逆さまに進んでしまう。日本の私たちにとっての常識が、アメリカではまったく逆なのである。


★ところで今キリスト教学科のホームページに移転した「きりおのページ」を確認してみたら、驚くべき事実に気が付いた。きりお君は8才にしてすでに大学生なのである。(ここをご覧あれ)。すごいぞきりお〜!彼は天才少年だったのだ。(プリクラぜひ分けてくれ〜!)。いやまてよ、そうすると、クラスメートのエンピツ太郎君やケシ子ちゃんも同様に天才少年少女ということになる。いや〜キリスト教学科の未来は明るい




≪8月14日≫

★今日はザビエルハウスの皆と共に車で買い物に出た。「酒やビッグ」と「ハイエース」と「ユーストア」。これらはそれぞれ酒と日用雑貨と食材のディスカウント店である。3つともうちから車で10分ほどのところに割と隣接してあるので便利だ。アメリカに行って間もない頃、私は買い物に一緒に連れて行ってもらって日本ではめったに見ない変わった食材や雑貨を見て回るのが大好きだった。日本にやって来たうちの人たちも好きかも知れないと思い、時間に余裕のある時には誘うことにしている。しかし私自身がそうだったほどに興味を示す人はどうやらいないようなので、実はちょっとさびしく思っている。

今年の新メンバーのひとりがピクルスが好きみたいで、食事の時、日本にもいろんなピクルスがありますかと聞いた。ピクルスとは「漬物」のことである。「そりゃぁもちろんいろいろあるさっ」と私は答えたが、どうも「ピクルス」と言うとしっくりこない気がする。ピクルスと言えば日本では普通、ひょうたんの小型版みたいな形をした胡瓜(きゅうり)の洋風の味付けの「ビン詰め」のものを指すと思う。輪切りにしてハンバーガーに挟んだりするやつだ。タクアンや白菜の一夜漬けは「漬物」なのであって、決して「ピクルス」ではないようにも思われる。おしゃれ過ぎてなんだか照れてしまうではないか、たとえば梅ぼしがピクルスだなんて。しかし英語にすると、やっぱりピクルスと言うより他はないようである。

そういうわけで私は、ピクルスと言っても日本のピクルスはちょっと違うぞよ、種類もたくさんあるがやはり違うぞよ、だがしかしたいへん美味なのだぞよ、ということをぜひいつか実物を前にして教えたいと思っていた。今日はその絶好の機会ともいうべきである。そこでユーストアで漬物売り場を見つけると、さっそくそこに彼を呼び、手を広げ声をあげて、「ほ〜れこれを見よ、この数々の漬物がみ〜んなジャパニーズ・ピクルスなのだ〜!」と、得々として述べた。



「ふ〜ん」という2秒の反応で終了した。




≪8月16日≫

★今朝ザビエルハウスのジョンとエペンとビンインの3人が北海道に飛び立って行った(6月に神学院に引っ越したジャスティンも一緒に行ったので、全部で4人)。毎年この時期に開催されている「北海道国際交流センター」主催の「国際交流の集い」(2週間のホームステイ)に参加するためである。数年前から毎年ザビエルハウスの「先輩グループ」(在住2年目の人たち)が参加させていただいている。参加した人は皆、とても良かったと大満足して帰ってくる。非常に優れた企画のようだ。しかも参加費が安い。2週間で35,000円(食費・宿泊費込み)である。留学生のひとりになりすまして私も参加したいくらいだ。北海道にはまだ行ったことがない。いい所なんだろうなぁ。涼しそうだし。



≪8月18日≫

★昨日(日曜日)の夕食は、インドから来たプラフルとジョゼフの2人がカレーを、ポーランドのラファルがサラダを作ってくれた。ザビエルハウスの人々は神学生同士の交流も兼ねていつも水曜日と日曜日に神学院で食事をさせてもらっているのだが、8月中は神学院の台所がお休みになる。そのため、水曜と日曜の食事をうちでどうにかしなければならない。水曜はコックの吉原さんに作ってもらえることになったが、吉原さんが休日の日曜は、自炊かあるいは外食ということになる。ありがたいことに、今年来た3人はみんな料理が得意らしいので、作ってもらうことにした。

カレーと言うと、恐らく日本では誰もがシチューのような料理を思い浮かべるだろうと思う。テレビのコマーシャルに出てくるカレーもすべてシチューみたいな、スプーンで食べるやつである。しかしながら、実はそれだけがカレーではないらしいのだ。液体ものではないカレーを昨日私は初めて食べた。カレーに使うのと同じスパイスを用いて、鶏肉と野菜を炒めたものである。

しかし・・・これは普通、野菜炒めと言わないか?と、私は疑問に思い聞いてみた。だがやはりこれはカレーであるとのことだった。「お好みなら液体モノにもできますよ」と言う。ほほう・・。味付けがカレーなら、べつにシチューのようにとろとろしてなくても、コトコト煮てなくても、カレーと言うらしい。(しかも彼らは今回、日本ではカレーの定番の具であるニンジンもマッシュルームも使わなかった)。念のため平凡社『世界大百科事典』をひいてみたら、「インドを中心として,中近東から東南アジア,さらに今日では広く世界各国で使用されている混合香辛料,またはその混合香辛料で味付けした料理のことをさす」とある。そうか、特に液体である必要は無いわけだ。なるほどなぁ。ま、ともかく、味はとてもよく、美味しかった。またぜひ頼む。

ラファルが作ってくれたサラダは、ポーランドのピクルスとたまねぎとトマトをみじん切りにしてオリーブ油で和え、塩とコショウで味付けしたもの。これも、さっぱりとした味でうまかった。こちらもまたぜひ頼みたい。それにしても、今北海道に行っている3人もみんな料理が上手だし、コックの吉原さんの日本食の腕も確か。今年のザビエルハウスの食事事情はすこぶるよろしいではないか。吉原さんの日本食に加え、インド、ポーランド、インドネシア、ベトナムの各国料理を食べることができるわけだ。はっはっは。うれしいなぁ。私の料理の出る幕は全くなさそうである。




≪8月21日≫

★8月も下旬である。夏休みが残り少なくなってきた。この時期になると思い出すのが、学生時代によくやった山登りのことである。南山の神学院の当時の指導司祭(マルクス先生と岡崎先生であった)は山が好きで、神学生たちを北アルプスによく連れて行ってくださった。神学院には山の道具がひととおり揃っていた。そして山が好きになった人は自分たちでパーティーを組んで登りに行った。登山と言っても冬山は我々の技量では到底無理なので、行くのは夏だけである。

槍ヶ岳や奥穂高岳には何度も登った。夏休みは登山者が多くて込み合うので、それを避けて8月の終わりから9月の初め頃に登山の計画を立てることが多かった。基本的に寝るのも食事も山小屋ではなくテント場だった。その方が登山らしい雰囲気が味わえて良いのだが、荷物は重かった。山の場合、持っていく物はほとんど全部また持って帰ることになる(むろんゴミも持って帰る)。だから帰りだからといって荷物はあまり軽くならない。むしろテントが雨に濡れたりすると、帰りの方が荷はより重くなる。

長い長い登り道はきつくていやになるが、しかし山頂に立った時の気持ちの良さは最高である。特に朝早く雲海に覆われた山々の向こうから(雲は我々より下にある)太陽が顔を出し、その光がパアッと世を照らすのを見た時には感動した。今は運動不足で体が重くてとても登山は出来そうにないが、もしダイエットで痩せることができたら、またぜひ登りたいと思っている。

さて、大学に入って4年目の夏(1982年)、登山仲間であった2人の先輩がとんでもない計画を持ちかけてきた。今年は山に登る代わりに地上を歩こう、歩いて軽井沢に行こう、と言う。神言修道会は軽井沢に修道院を持っていて、主に神父と神学生の黙想の場として使われている。神学生グループは毎年9月の初め頃に1週間の黙想会をすることになっていた。軽井沢までは普通は何台かの車に分乗して行っていた。だいたい5時間ほどかかる。それを今度は歩いて行こうと言うのである。名古屋から軽井沢はおおよそ300kmある。これを1週間かけて行く。時速4kmで歩くとして1日10時間の行程だ。しかも金が無いから寝るのはテントで野営、食事も材料をスーパーなどで買ってきて路上で炊飯することになるらしい。

この「名古屋→軽井沢歩き」はとてつもない難行の旅であった。しかしどうにかこうにか達成できた。足が壊れてしばらくはまともに歩けなかったが、今では良い思い出だ。こんなことに挑戦してみたのは神学院では我々3人が初めてだったし、その後もこれに続く人はまだ誰もいないのである。しかしこのくらいのこと、ちょっと根性を出せば誰にだって出来るはずだし、とても貴重な面白い経験ができる。やってみる価値はあると思う。そのうち誰かが挑戦してくれることを期待して、簡単な案内をここに書いておきました→「軽井沢まで歩こう!」。




≪8月24日≫

★今朝ツクツクホウシが鳴くのを聞いた。もう秋なのか・・・。

さて、ツクツクホウシはむろんセミの仲間である。「ほーしツクツク、ほーしツクツク」と独特な声で鳴く。私にとっては、「ジー!ヒー!」と鳴くアブラゼミや、「ワシャワシャワシャワシャ」と鳴くクマゼミは煩くてかなわないが、「カナカナカナカナ」と鳴くヒグラシやツクツクホウシは風流に感じられる。ツクツクホウシについて百科事典で調べてみた。学名はMeimuna opaliferaというのだそうだ。ふぅん。ラテン語なんだろうか。どう読むのだろう?・・ま、どうでもいいか。そんなことより、日本には我々のよく知るツクツクホウシの他に4種類のツクツクホウシがいるらしい。ちょっと見てみましょう。(以下の引用はすべて平凡社『世界大百科事典』(C) 1998-2002 Hitachi Systems & Services, Ltd. からのもの。この項目の執筆者は林正美氏)。

■ 「ツクツクホウシ属のセミは日本にはほかに4種が知られ,どの種も姿は似ているが鳴声がまったく違う。」

ほほう。鳴声がまったく違うのですとな?どのように違うのでしょう?

■ 「九州の佐多岬から沖縄本島にかけての島々にはクロイワツクツク M.kuroiwae が分布し,8月末〜10月にかけて出現し,ゲーッゲーッジュルルル……というゆったりとした声で鳴く。」

へぇ〜。「ゲーッゲーッジュルルル……」とはまた、変わった鳴声だなぁ。しかもこれが、「海岸近くのシイ・タブ林には非常に多く,早朝と夕方に大合唱をするらしいのだ。ううむ・・・これでは風流どころではなさそうである。

■ 「奄美大島,徳之島,沖縄本島,久米島の地質の古い地域には大型のオオシマゼミ M. oshimensis がすみ,9〜11月に現れ,カンカンカン……というセミとは思われないような声で鳴く。」

なんと。「カンカンカン…」ですか。「セミとは思われない声」って、どんな声なんだ。それにしてもそのセミ、本当にツクツクホウシの仲間なんですか?

別の島には次のようなセミがいるらしい・・・

■ 「石垣島と西表島にはイワサキゼミ M. iwasakii が知られる。9〜11月に出現して,ゲーィカンカラカラ,ゲーィカンカラカラ……とやかましく鳴く。」

・・・「ゲーィカンカラカラ」ですか。確かにやかましそうだ。でも、「ほーしツクツク」とリズムは似ているかも。しかしこのセミの場合、「遠くから合唱音を聞くと2種のセミが鳴いているようであるとのことである。つまり、「ゲーィカン」と鳴いてるやつと、「カラカラ」と鳴いているやつの2種がいるように聞こえるというわけなのだろう。「ほーしツクツク」と鳴く普通のやつの場合は、決して2種のセミには聞こえないのであるから、この「ゲーィカン」という部分と「カラカラ」という部分は、かなり声色が違っていることが推測される。

今にわかに思いついたが、上に出てきた「ゲーッゲーッジュルルル」のクロイワツクツクと、「カンカンカン」のオオシマゼミでペアを組ませて、このイワサキゼミと鳴声対決させたら面白そうだ。(うるさくてたまらんだろうな・・・)

■ 「そして,小笠原諸島にはオガサワラゼミ M. boninensis が知られる。形,声ともクロイワツクツクによく似ている。小笠原固有ということで天然記念物に指定されている。」

最後のオガサワラゼミは、ゲーッゲーッジュルルル派のようである。だがこのセミはなんといっても天然記念物なのだから、クロイワゼミよりもずっと格が高い。それを聞いたら、「形も声もそっくりなのに、なぜだぁ、不公平だ〜!」と、クロイワ氏は怒るかも知れない。そしてさらに大きな声でゲーッゲーッジュルルルと鳴くであろう。


★セミの世界も侮れない。ツクツクホウシだけでも色々である。辞典を調べてみて私は「へぇ〜」を連発した。より当世風な仕方で「へぇ〜」と言いたい人のために、「僕秩。」のヨシナガ氏が次のようなものを作成してくださっている。ここ



≪8月26日≫

★火星が大接近しているらしい。最も近づくのは明日のようだ。ザビエルハウスの屋上に上って見てみようと思ったが、名古屋は今日から数日間はあいにく雨の予報である。残念だ。北アルプスや南アルプスの雲より高い山に登ればよく見えるだろう。恐らく山は今、火星を見るために登って来た人たちで込み合っているのではないだろうか。

ところで、ザビエルハウスの屋上へ出る出口は、なかなかシャレている。ちょっとご紹介しましょう。



ここは階段を最上階(4階)まで登った所である。階段の踊り場の天井に四角い穴が開いていて、ハシゴが付いている。何を隠そう、これが屋上への「唯一の」出口なのである。



このフタを手で押して外側にパカッと開けて出る。まるで潜水艦のハッチのようである。穴の直径は約40cm。身体のサイズが大きな人には出ることができない(たとえばうちの副院長のムンカダさんはアウト)。一昨年、電気屋さんに頼んで屋上のテレビのアンテナを新しいのに付け替えてもらったのだが、電気屋のおじさんは、機材のすべてをこの穴から屋上へ運び出さなくてはならなかっただけでなく、受信状態を調節するために、屋上からこのハッチを通って中に入り、1階のテレビ室へ降りて状態を確認し、また4階まで登ってこのハッチを通って屋上へ、という作業を5・6回繰り返さなければならなかった。ゼ〜ゼ〜と肩で息をしながらアンテナを設置してくれたおじさん、どうもありがとう。これに懲りずにまたよろしくお願いしまする〜。(もうイヤ?)



≪8月28日≫

ザビエルハウスには休憩室に一台テレビが置いてあり、うちの連中はよく見ている。しかし日本語があまり分からないので、英語の放送を見ることが多いようだ。英語の音声が出るニュースとかNHK衛星放送とか。何が面白いのか、英会話講座も喜んで見ている。日本語の番組も、歌番組や料理番組なら映像が楽しめるのでOKなのだが、しゃべりが中心のものやドラマは苦手のようである。

時々ビデオを借りてきて見ている。うちの連中の場合、ビデオを借りる時には要注意事項が2つある。1つは、「字幕スーパーものを借りるべし」ということ。日本語吹き替えものを誤って借りてしまうと、内容がよく分からなくて疲れてしまうし、映画の雰囲気も変わってしまうのでよろしくない。もうひとつの注意事項は、「英語の映画を借りるべし」ということである。せっかく字幕スーパーの映画を選んで借りてきても、それが中国語とかフランス語の映画だったりすると、やはりさっぱり分からないのである。字幕の日本語をスラスラ読むのはうちの人たちにはまだ無理である。毎年、ザビエルハウスにやってきた新メンバーの誰かが必ず一度はこのミスを犯すので面白い。ケースの写真を見て良さそうだと思い、よく調べずにうっかりそういうやつを借りてきてしまうのだ。再生してみたらさっぱりわからん言葉でお手上げ〜ということになる。しかしお金を払って借りてきたので、もったいないと思うのであろう、そういう時は私を呼んで、「よかったらぜひ見ませんか?」などと言うのである。






2003年7月の雑記へ

2003年9月の雑記へ