2004年8月の雑記



≪8月2日≫

★学期末テストが終わり、レポートも締め切られた。成績報告がすめば夏休みである。夏休みと言っても、私の場合は大学の研究室にほとんど毎日来るので、普段とあまり変わらない。研究資料のほとんどが研究室や図書館にあるから、学校に来ないと仕事がしにくいのだ。夏休みは、普段と違って授業も会議もないし、校内も静かになるので研究に専念できて良い。私の他にも、けっこうたくさんの教員の方が毎日研究室にいらっしゃっているようである。加えて大学院生もよく来て研究していると聞く。だから、夏休みだからといって、大学が無人になることはないのだ。

しかしながら、今年に限っては、校内はさほど静かではなさそうである。いくつかの建物の耐震工事が行われるからである。


私の研究室がある第一研究棟。ここが最も耐震工事が必要な建物なのだそうだ。けっこう古いもんな〜。もう工事が始まっている。現在はまだ静かだが、そのうちすさまじい騒音と塵埃(じんあい)が生じると予告されている。研究はできるのだろうか・・・。


★耐震工事とは直接関係ないが、昨日は点検作業のため、大学全域が一日中停電であった。これは毎年恒例のことらしい。ところが、大学が停電だと、私の家であるロゴスセンターも停電になってしまうのである。これは困った。停電になるとクーラーはもちろん、コンピューターもテレビも使えず、トイレの水も止まってしまうのだ。これではとても家には居られない。そこで、「東海健康センター」という、平針(ひらばり)にある大きなスーパー銭湯に避難することにした。


停電は朝8時から。停電になると車庫のシャッターも開閉できなくなるため、その前に避難開始。喫茶店のモーニング・サービスでゆっくり朝食をとってから、東海健康センターへ。朝っぱらなので、きっとガラ空きだろうと予想していたら、なんとまあ、たくさんのご老人方が・・・朝からこんなに賑わっているとは驚いた。

このセンターには、お風呂の他に宴会場、居酒屋、スナック、カラオケ、仮眠室などが完備されている。24時間営業。入館料を払うと浴衣を貸してくれ、翌朝9時まで自由に中で過ごせる。きっと団体でいらっしゃって、朝から晩までここでお楽しみになる方も多いのだろう。時間がたっぷりあるので、仮眠室で少し横になる。睡眠不足を補おうとしたが、ここもけっこう人が多く、落ち着かないので、寝るのはあきらめて風呂へ。普通の2倍くらいの時間をかけて風呂に入る。身体がふやけて、すこし頭が朦朧(もうろう)としてきたので、出た。廊下に出ると、向かいにある大広間(食堂)から、とてつもない大音響が響いていた。カラオケだ。のぞいてみると、大広間は浴衣すがたのご老人方でいっぱい。そしておばあさんがステージで演歌を熱唱なさっていた。昼間からこれか・・・いや、お元気そうでなによりである。

さすがに一日中ここで過ごす気にはならないので、風呂からあがると退出。昼ごはんを近くの食堂で食べて、少し散歩し、4時ごろ帰宅した。幸い電気はすでにもどっていた。・・・電気があるって、ホントにありがたい。電気の恩恵を身にしみて知った一日であった。



≪8月3日≫

★今年度から私は、南山大学写真部の顧問を務めさせていただくことになった。これまで務めてこられた先生が退職なさったため、その交代として依頼を受けたのである。写真部は南山で伝統あるクラブである。近年は低迷していたらしいが、キリスト教学科の石原君が中心となってそれを立て直した。その尽力のおかげで写真部は活動面でも技術面でも格段に成長し、今では30名を超える部員を抱える盛況ぶりを示している。すごいなぁー(尊敬のまなざし)。

私はしかし、初心者向けのデジカメを一台所有しているだけで、写真技術などについてはほとんど無知である。私なんかに写真部の顧問が務まるのだろうかと、大いに不安だったのだが、聞いてみると、顧問教員の主なる仕事は時々書類にハンコを押すことだけらしい。それなら私にも出来そうだということで、及ばずながらお引き受けすることになった。

     

     

で、春学期終了を記念して先日コンパが開催され、私も自己紹介を兼ねて参加させていただいた。
たいへんなごやかで楽しい食事会であった。写真部の皆さん、これからどうぞよろしくね〜。 



≪8月4日≫

★また宴会の話で恐縮だが、昨日は、キリスト教学科・新入生クラスの春学期テスト終了祝賀会がロゴスセンターで行われた。

 

今年度の新入生クラスは、年齢も国籍も多種多様な人たちで構成されているのだが、とても仲がよく、非常によくまとまっている。今回のこの祝賀会には全員が参加。それぞれがクラブ活動やアルバイトで忙しいはずなのに、こういう自由参加の集いに全員が集まるとは、たいしたものである。

         

楽しい集いだった。食材をみんなで買出しに行き、焼きそばとお好み焼きと玉子焼きを作る。2台のホットプレートを使って、わいわい言いながら一緒に作って食べるのはとても楽しいし、おいしかった。ロゴスセンターの3階の合宿用の畳の部屋は、流しも冷蔵庫も無く、1階の台所から階段で飲食料を運ばなければならないのが難点だが、広々としていて、くつろげる。

大学生活が始まって約半年。新しいことばかりで不安も多かったであろうが、このクラスのメンバーはこのように互いに協力し合って、よい雰囲気をみんなで作りあげている。いいクラスだなあと思う。



≪8月8日≫

★南山大学名古屋キャンパスでは目下、東海大地震に備えての耐震工事が盛大にとり行われている。ここ第一研究棟でも、今朝からすさまじい爆音が鳴り響き、粉塵が舞い上がっている。幸いなことに、私の研究室がある最上階は工事の影響が比較的少なく、エレベーターで昇って部屋まで来ることができる。音は確かにすごいが、クーラーは作動するしコンピューターも使えるので、まあ、仕事ができない程ではない。今のところはだが。


研究室からキャンパスを見下ろしたら、メインストリートに大きな鉄製の補強ワクのようなものが運び込まれていた。どこにはめるのかなぁ。

東海大地震は、もういつ起きてもおかしくないと言われている。いつ起きるのかわからないところが非常に不気味だ。爆弾をかかえているようなものである。私としては、どうかせめて、この補強工事が終了してから起きて欲しいと思うのだが。



≪8月11日≫

★アテネ五輪が、いよいよ明後日開幕する。

だから、というわけでもないのだが、頭を「スポーツ刈り」にした。


一部の友人からはすこぶる不評であり、確かによりいっそう人相が悪くなった気もするが、髪の毛の煩わしさから一気に解放されて、すっきり爽快だ。シャンプーもいたって簡単♪


さあみんな、オリンピックをスポーツ刈りで観戦しようぜ!(全員無視・・・)



 あ、これは通りすがりのゴルゴさん



≪8月16日≫

★友達と一緒に、愛知県東加茂郡(ひがしかもぐん)足助町(あすけちょう)にある香嵐渓(こうらんけい)というところに行って来た。


ここは渓流とそのまわりの木立が非常に美しい所である。(詳しくは「ここ」をご参照あれ)。

お盆休みですごく込んでいるだろうと思ったら、暑いせいか、あるいは皆さんお家でオリンピックを見ているのか、さほどの人出はなく、気持ちよく散歩を楽しむことができた。

まあもっとも、今回香嵐渓に行った第一の目的は、五平餅(ごへいもち)と鮎の塩焼きを食うことであった。香嵐渓にはいたるところで五平餅が売られている。味噌だれの香ばしさがなんとも言えない。また、この季節は、香嵐渓の渓流で釣れる鮎の塩焼きが味わえる。これもたいへん美味である。

渓流では何人かの人が鮎釣りをしていた。やたらと長い竿を使うのが特徴だ。後で知ったのだが、これは鮎の縄張り争いの習性を利用した「友釣り」という独特な釣り方らしい。囮(おとり)の鮎を縄張り区域に入れ、それを追い払おうとする鮎を巧みに針に引っ掛ける。餌は使わない。たいへん面白い釣り方だと思う。

鮎の塩焼きは、なぜか店によってだいぶ値段が違っている。たとえば駐車場近くの店では700円だが、散策路をしばらく行ったところにある店では450円なのだ。我々は450円の塩焼きを食べたが、ちゃんと美味しかった。

香嵐渓は、南山大学瀬戸キャンパスからなら、たぶん車で30分くらいだと思う。とても良いところだ。特に秋の紅葉は素晴らしいと聞く。川辺でバーベキューをするのも楽しそうだ。駐車場は前払いで500円のところがほとんどだが、300円のところもあるので、よく探してみよう。



≪8月17日≫

★昨晩のアテネ・オリンピック、男子体操団体総合の決勝戦見ましたか?いや〜本当にすごかったですねー☆☆☆。

最初の「ゆか」では7位。やっぱりダメかも・・・と心配になったが、その後の種目でだんだん上位に浮上して行き、最後の「鉄棒」で接戦の勝負。そして感動の大逆転!すご〜い!

ルーマニアと米国の選手たちが緊張のあまりカチコチになって、ミスが続出したのに対し、日本の選手たちはプレッシャーにまったく動じていないように見えた。ワザだけでなく精神力でも日本選手団は他のチームを圧倒していたのだ。なんという強さだろう。見ている自分まで気が引き締まる思いがした。

インターネットの新聞asahi.comにこれまでの体操男子の五輪団体成績が出ていた。それによると、日本は1960年のローマ大会から、64年の東京、68年のメキシコ、72年のミュンヘン、76年のモントリオールと、5回も連続で金メダルを取っている。私は1960年の生まれであるから、日本男子の体操が世界最高だったのは小学校、中学、高校の時。その頃の日本選手のすごさは今でもよく覚えている。

その後はしかし残念ながら次第に低迷して行き、1996年のアトランタ大会では10位にまで落ちてしまった。だが次世代にあたる若き日本選手たちがそれを立て直し、ついにこのアテネ大会で、実に28年ぶりに、再び世界の頂点にたったわけである。本当にすばらしいことである。

体操のほかにも日本選手は目覚しい活躍をしており、今回のオリンピックはとても見ごたえがある。うれしいことだが、ついついテレビに見はまってしまい、研究の仕事がはかどらない・・・ちょっとこまったなぁ。



≪8月19日≫

★アテネ・オリンピックは連日、日本選手の大活躍で盛り上がっているが、宮嵜多紀理(みやざき・たきり)さんが登場する女子10M高飛び込みの試合がもうすぐ始まる。先日応援のためにアテネに向けて飛び立ったお兄さんから、次のようなメッセージが届いた。

今から旅立ちます
本人いわく プレッシャーがあればあるほど集中して
飛び込めると言っていたので 応援よろしくおねがいします
オリーブの冠をかぶる可能性はあると思いますが
みなさんの期待にこたえられる試合になると信じています
み!

オリンピックという最高の舞台で、実力をいかんなく発揮して、世界にその名を轟かせていただきたいものである。みなさんもぜひ応援してください。試合の日程は、次のとおり。

8月21日(土) 日本時間の18:30 予選
8月21日(土) 日本時間の19:30 準決勝
8月22日(日) 日本時間の深夜(翌朝)3:00 決勝

残念ながら、他の競技に比べて地味なためか、予選は今のところテレビ放送のスケジュールには組まれていないようである。決勝戦はNHKハイビジョンや衛星第一で放映される予定。ただし、放映は23日(月)の18:00(ハイビジョン)と19:00(衛星)。つまりライブ(生放送)ではなくて録画である。(放送スケジュールは例えば「ここ」で確認できます)。オリンピックは競技種目が多いから仕方ないのかも知れないが、ライブで見れないのは残念だ。しかし彼女が勝ち進めば、演技の瞬間くらいは放映してくれるだろう。多紀理さんのご健闘を心から祈りたい。

ふれ〜ふれ〜、タ・キ・り!がんばれ〜!



≪8月23日≫

★オリンピックの女子10M高飛び込みで、宮嵜多紀理さんは決勝まで進み、11位の結果を残した。先ほどNHK衛星放送でやっと競技の様子を見ることができた。たった30分間の放映だったが(怒)、12名の選手たちによって、すばらしい演技が次々と繰り広げられていた。多紀理さんの演技もすばらしかった(たしか、後ろ宙返り2回ひねり何とかかんとかエビ型という、名前からしてとても難しいワザだった)。メダルの可能性があった彼女としては不本意な結果に終わったのだろうが、世界トップレベルの選手のひとりとして、堂々たる演技を見せてくれたことに、私は感動した。ご健闘を心から讃えたい。

それにしても、高飛び込みは素人の私には難しい・・・。各選手の演技の点差の理由がよく分からないのだ。どの演技も同じくらいすばらしく見える。解説の人が、「あ、惜しい」とか、「やや短かったですねー」とか、「ちょっと失敗でしたね」とか言うのを聞いて初めて、「へえそうか」と、どうやら何かが悪かったらしいと知るのだが、それでも「・・・でもどこが?」と不思議に思ってしまう。飛び込んだ時のシブキが小さければ良しということなのだろうか??

ううむ、こんなに高飛び込みが分からない私が言うのもなんだが、多紀理さん、とってもよかったよ〜!



≪8月24日≫

★私の研究室がある第一研究棟は、耐震工事がまだ続いているが、しばらくの間閉鎖されていた階段が開放され、歩いて上り下りできるようになった。この部分の工事はどうやら一段落したようだ。しかし、その様変わりに少し驚いた。

最上階の階段の手すり 5階より下の階段の手すり(というか壁)

上の左の写真は最上階である6階の階段の様子である。階段の手すりが写っている。工事前まではどの階の階段もすべてこういう風だった。ところが、右の写真に見られるように、この耐震工事で、5階以下の階段の手すり部分が壁に改造された。おかげで、ずいぶんと見通しが悪くなったが、たしかに崩壊に対して強くなったように思える。

★階段が閉鎖されていた期間は、合同研究室(左の写真に写っているドアの部屋)に行くことが出来なかった。そこには冷蔵庫が置いてある。久しぶりに入って冷蔵庫をチェックしたら、閉鎖前に私が入れておいた納豆のパックが4つも発見された。正味期限を見ると、8月11日である。期限切れ13日モノというわけだ。恐る恐る開けてみた。見た目はまあ普通である(白いつぶつぶがちょっと出てるけど)。そこで、ためしに食べてみることにした。

・・・かなり発酵していて、濃厚なお味になっている。なんちゅうか・・・納豆菌が身体全体にしみわたる感じだ

でも、全然だいじょうぶみたいである。実は4つとも食べちゃったけど、お腹もいたくならないし。

今日、私のこの勇気ある行いによって(自分で言うな)、次のことが明らかとなった。

「トリビアの泉」風に、

≪納豆は・・・期限切れ13日目でも食べられる≫

しかも夏場!(拍手ぅ〜パチパチパチ)

すごいなあ、納豆って。(お子様は絶対マネをしてはいけません)。



≪8月31日≫

★昨夜、台風16号が吹き荒れる中、私は名古屋市内のとある病院で入院検査を受けていた。睡眠時無呼吸症候群の検査である。今回は2回目で、症状の経過を見ることと、呼吸補助機(CPAP)の調整をすることが主な目的らしい。(1回目の検査については4月6日の雑記をご参照あれ)。

なんたって睡眠時の病気であるから(といっても結局はイビキなんだが)、寝ないことには検査ができないので、入院検査となる。しかしただ単に寝ればよいというわけではない。電極を身体中に貼り付けられ、腰と胸をバンドで締めあげられ、頭にネットをかけられ、鼻には呼吸補助機をつけられて寝るのだ。


つまり、こういう状態になる。かなりのものでしょ?担当の看護婦さんに撮ってもらった。装着開始は8時。装着完了まで1時間ばかりかかり、就寝は9時。

「リラックスして、ごゆっくりお休みくださいね〜」

と看護婦さんは明るい笑顔で去って行くが、とてもリラックスできる状態ではない。しかも部屋は即座に真っ暗にされる。テレビを見ることも本を読むことも許されない。眠たかろうがなかろうが関係なく、ただひたすら眠るよう努めなければならないのだ。

またこの装備では、トイレに行くためにも看護婦さんをブザーで呼ばなければならない。電線をずるずると引っ張って行かなければならないからだ。看護婦さんがやってくると部屋の電灯がつけられ、目がくらむほど明るくなる。これで完全に目が覚めてしまうので、トイレの後はまた眠る努力のやり直しだ。

ああ眠れないな〜、困ったな〜、と思いながらも、やっと眠りに入ったころ、検査終了。朝の5時。スピーカーで看護婦さんが「お早うございます!」と元気に起こしてくれ、部屋の電灯が情け容赦なくパチッとつけられる。ひ〜、やっと眠れそうなのに〜。

というわけで、朝早々に無事帰宅。ロゴスセンター付近の道路には木の枝がたくさん落ちていて、昨夜の台風のすさまじさを物語っていた。ま、私にはほとんど関係なかったけど。これから無呼吸の同じ検査を受けようとされている方、どうかがんばってくださいね。とっても楽しい検査だったよ〜!(大ウソ)。




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