2005年3月の雑記




≪3月1日≫

★先日「檀渓」で懐かしいレコードを聴かせてもらった時、その中に本田路津子(ほんだ・るつこ)さんのレコードがあった。今現役の大学生で知っている人は少ないと思うが、この人は1970年代に登場したフォーク歌手で、「天使の歌声」と呼ばれる清らかな声で知られる。

1970年代は私が十代の頃である。いつしか本田路津子さんのことを忘れてしまっていた。檀渓でレコードを見て思い出し、歌声をまた聴きたくなった。

そこで調べてみたら、CDがいくつか見つかった。同時に、やまがたすみこさんのCDも見つかった。この方も、天使的な歌声で有名な人である。懐かしくてうれしくなり、2枚購入。


さっそく聴いてみた。

よか〜〜!

おどろくべき美しさ。心洗われる感動的な清涼感。

本田路津子さんのCDはベスト盤で、「秋でもないのに」、「耳をすましてごらん」、「一人の手」などのヒット曲をはじめ、23曲もはいっているお得なCDだ。他の人が歌っていた曲も入っているが、全部彼女の持ち歌のように聞こえる。彼女の声と歌唱力で、どの曲もたいへん魅力的になっている。

やまがたすみこさんもすばらしい美声だ。「風に吹かれて行こう」とか「あの人が好きなのに」とかのヒット曲を含む12曲が入っている。真っ直ぐで清らかな歌声にうっとりしてしまう。

お二人のCDには、「秋でもないのに」と「今日の日はさようなら」の2曲が共通して入っている。お二人のそれぞれの魅力的な歌声で聴けるのはうれしい。

「今日の日はさようなら」は、当時のフォーク歌手のコンサートでいつも終曲に使われていたという、定番の曲である。


いつまでも
絶えることなく
友達で いよう
明日の日を 夢みて
希望の道を

空を飛ぶ 鳥のように
自由に 生きる
今日の日は
さようなら
また会う日まで

信じあう よろこびを
大切にしよう
今日の日は
さようなら
また会う日まで

また会う日まで



あんまり感動したものだから、それぞれのCDを続けて3回聴いてしまった。今4回目を聴きながら、この雑記を書いている。何度聴いても飽きない。飽きないどころか、聴けば聴くほどに癒される。十代の時には、この良さがあまり分っていなかった。今改めて聴くことができてよかったと思う。



≪3月7日≫

★卒業式の季節となった。

今年の南山大学の卒業式は愛知県体育館で3月20日(日曜日)に行われる。名古屋キャンパスと瀬戸キャンパスの学部学科の卒業生が一堂に会する。

それに先立ち、今日は、人文学部の卒業生のための卒業パーティーが、名古屋キャンパスの学食にて行われた。卒業式が大学から遠い所にある施設で行われるので、卒業式の日ではなくて、卒業生が大学に出てくる日に、パーティーをすることになった。

4年次生がこの時期にこぞって大学に出てくる日は、今日をおいて他にない。今日は卒業確定者が発表される日なのである。卒業証明書も今日から発行される。卒業式用のガウンの貸し出しも、今日なされる。うっかり単位を落としてしまった人は、無事卒業するために大至急、再試験の手続きをしなければならない。

というわけで、今日は久々に、4年次生たちの姿をキャンパスでたくさん見ることができた。

人文学部には、キリスト教学科、人類文化学科、心理人間学科、日本文化学科という4つの学科がある。今年の卒業生の数は全部合わせると300人くらいである。

学部全体の卒業パーティーの少し前に、別の場所で、キリスト教学科だけの卒業式典と祝賀会が開かれた。

 

みんな無事に卒業してめでたいが、慣れ親しんだ顔がこれで見られなくなると思うと、なんだか寂しい。これから社会人として働くわけだけど、あまり頑張り過ぎないで、健康に楽しくやって行って欲しい。



≪3月12日≫

★今日は南山大学・名古屋キャンパスにある神言神学院(しんげん・しんがくいん)にて、助祭(じょさい)叙階式(じょかいしき)とその祝賀会が行われた。

神言修道会では毎年数名の人が助祭に叙階されている。今年叙階されたのは、暮林響(くればやし・ごう)さんとエドガルド・サンティアゴさんの2人である。エドガルド・サンティアゴさんは通称ディンドーさんと言い、フィリピンの出身。私は彼とはザビエルハウスで一緒に生活したこともあり、親しい仲である。

助祭には、生涯ずっと助祭である場合と、司祭(神父)に叙階される前段階として助祭に叙階される場合の2つがある。今日叙階された2人は後者の場合で、今年の10月に司祭に叙階される予定。それまでの間は教会で司牧研修をすることになっている。


大聖堂で行われた叙階式の様子。司式は名古屋教区長の野村司教様だった。写真右側の壇上の3人の真ん中に立っている赤い帽子の人がその人。司教様の両側に立っているのは神学院院長と指導司祭である。

司教様の前に跪いているのが今日叙階された2人。手前と奥にたくさんいる白い服の人たちは、司祭団。手前左側に立つ2人の女性は手話の同時通訳の人たちだ。非常に多くの方々がご参列くださった。

日本には近年、海外から若く優秀な神学生たちがたくさん助っ人に来てくれている。日本人の心に神の愛を伝えるため、故郷を遠く離れ、この異国の地にはるばるやって来て、日本語に苦しみながら、また生活習慣の違いにとまどいながら、しかし元気に明るく頑張ってくれている。ディンドーさんもその一人だ。

有能な上に人柄のたいへん良い彼は、多くの人たちに慕われ愛されている。日本に来てくれて本当にありがとう。頑張ってくれてどうもありがとう。すばらしい人を私たちに与えてくださった神さまに感謝。


(暮林響さんに関してはj-von師の日誌をどうぞご覧ください→ここ



≪3月16日≫

★先日、地下鉄「桜通線」、高岳(たかおか)駅のそばにある病院に、睡眠時無呼吸症候群の検査のため、一泊入院してきた。

3度目の入院となる今回は、こないだ作ってもらったスリープスプリントというマウスピースの効果を見るためである。しかし検査の仕方は、これまでとほぼ同じであった。たくさんの電極が頭、顔、手、足、胸に、糊とテープで貼り付けられ、顔にプラスチックのネットをかぶせられ、胸と腰にはバンドがギュッとしめられる。電線コードで計測機につながっているため、トイレに行きたいときには看護婦さんに来てもらい、計測器を載せた台を手で引きながら用を足しに行かなくてはならない。

3度目でけっこう慣れてきたとはいえ、今回もやっぱり安眠はできなかった。特に私には胸に巻かれたバンドが苦しい。それに今回は電極が数回外れて付け直しがあったし、汗をかいては計測上よろしくないとのことで、暖房が消され、部屋はまるで冷蔵庫のようだった。

「この部屋は北向きで、一番寒いんですよぉ」

と、看護婦さんも気の毒そうに言っていた。

眠れなくても、しかし、8時間寝ていなければならない。うたた寝状態が続き、久しぶりにたくさん夢を見た。その中で一番インパクトがあったのは、大きな高校が舞台の、不思議なSFものの夢だった。

高校が舞台なのに普通の高校生はほとんど出てこず、半分動物・半分人間のようなキャラが多数登場して、学校内にあるいろんな秘密の場所を出入りし、校舎の壁や柱、あるいは校庭に置かれたオブジェの不思議な秘密が解き明かされるというもの。ファンタジー映画みたいな、けっこう面白く楽しい夢だった。

寝苦しい時には夢も苦しいものばかりを見る、というわけではないようだ。

朝早く検査は終了し、無事に帰宅した。結果を聞くのは次回の診察の時である。ちゃんと計測できたのかなぁ。。

★ところで、この病院がある高岳は、名古屋の都心に近い所であり、南山大学・大学院の、サテライト・キャンパスがここに開設されている。


これは、社会人の方が仕事の帰りなどに受講するのに便利なように開設されたキャンパスである。現在のところ、総合政策研究科と数理情報研究科の2つの学科の講義が、このキャンパスで開講されている。ご関心のある方は、こちらをどうぞ→ 「総合政策研究科ホームページ」、「数理情報研究科ホームページ」




≪3月18日≫

「卒業論文作成の手引き」というものを作ってみました。よろしければご利用ください。

これは、実際に論文を書く際に、どういう仕方で文献を引用したり、註を付けたりしたらよいのかというような事を、具体的に説明したものです。卒論だけでなく、授業のレポートを書くときの参考にもなると思います。

論文の書式には、これが唯一絶対というものはありません。分野によって、あるいは出版社の編集方針などによって、書式はさまざまです。私がここに紹介している書式は、神学や哲学の分野で用いられているもののひとつです。(基本的に私のゼミ生のために、自分の研究室に置いてある本を使って書きましたので、書式例に出てくる文書がやたらとトマス・アクィナス関係のものばかりになってしまいました・・・。)

この「卒業論文作成の手引き」は、ですから、自分の分野の論文に使える部分だけ使っていただいて結構です。また、教員の方々で、もしこれをお使いくださるのでしたら、ご自分の書式に合うように修正・変更してお使いくださってかまいません。いわば素材として、どうぞご自由にお使いください。

(間違いが見つかり次第、訂正版をアップいたします。どうか最新版をお使いくださいますよう、お願い申し上げます。)



≪3月20日≫

★今日は愛知県体育館で、南山大学の卒業式が行われた。


卒業生約二千名。一階席がすべて卒業生である。二階席にいらっしゃるのはご父兄の方々と教職員だが、ざっと見て五・六百人くらいだと思う。盛大かつ荘厳な卒業式であった。

私は指導司祭のひとりとして、最初に行われる「感謝の祈り」という儀式を、他の二人の司祭と共に行った。これは大学生活を無事に、また有意義に過ごせたことを神さまに感謝し、これからの旅立ちのために祝福を願う、お祈りの式である。司祭だけではなく、南山大学の七つの学部の代表者たちが壇上に上り、順番に祈願を唱えた。厳粛な雰囲気でなかなかよかったと思う。


式中の音楽はいつものように、南山大学管弦楽団と、南山大学スコラ・カントールム、メイルクワイア、メイルクワイアOB、女性コーラスOGによる連合混声合唱団。上の写真はリハーサルの様子である。二階席にいるのが合唱団。誠意ある演奏で式を大いに盛り上げてくれた。


★ところで愛知県体育館は、「大相撲名古屋場所」が催されるところである。名古屋城の敷地内にある。名古屋城では昨日から「新世紀・名古屋城博」という特別イベントが開催されている。愛知万博「愛・地球博」もいよいよ今週の金曜日(25日)に開幕する。にぎやかになるなあ。

愛・地球博パートナーシップ事業として、南山学園主催で、「高田三郎作品によるひたすらないのち・愛知演奏会」が行われる予定(9月18日に開催)。合唱曲の演奏会である。高田三郎の曲を得意とする日本屈指の合唱団が一堂に会する。その数、実に六百人余。それぞれの合唱団が順番にステージを持つが、最後にこの総勢六百名で、有名な「水のいのち」を、オーケストラと共に大合唱するのだそうだ。すごいことになりそうだ。世界初演の曲も含まれているらしい。どうぞお見逃しなく。




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