2009年1月の雑記



≪1月1日≫

皆さま、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。



昨年末に、久しぶりに里帰りをしてきました。

今回は、長崎の実家ではなく、妹がいる大分県の別府(べっぷ)に行って来ました。

名古屋から新幹線で小倉に行き、
そこから日豊本線(にっぽうほんせん)に乗換えて、特急ソニックで別府へ。


名古屋からだいたい5時間くらい。



サレジアン・シスターズの修道院に泊めていただきました。
駅から徒歩だと20分くらい。明豊(めいほう)中学・高等学校のお隣り。


別府と言えば温泉。ほんとにたくさんの温泉があります。
代表的な温泉街は八つあり、「別府八湯」と呼ばれているそうです。


そのうちのひとつ、明礬(みょうばん)温泉の海地獄。
数ある地獄の中でも、一番人気がある地獄なんだそうです。

きれいなコバルトブルーのお湯ですが、その温度は98度。湯けむりがもうもうと立ちのぼる。
竹ざおに吊って湯の中に沈めているのは、名物の温泉卵。


お薦めの温泉は、鉄輪(かんなわ)温泉にある「ひょうたん温泉」。
いろいろなお湯とお風呂が楽しめる人気温泉のひとつ。


別府の魅力は温泉だけではありません。

豊後水道(ぶんごすいどう)で獲れる海の幸も知られています。
特に、佐賀関(さがのせき)の関アジ、関サバは超有名。

せっかくなので、佐賀関まで行って本場の味を確かめてきました。


愛媛街道沿いに見つけた「関の瀬」というお店で、定食のランチと、関アジ姿ずしを賞味。
ものすごく美味しかった。さすが関アジ。(関サバはちょっと高すぎたので、また今度)



「うみたまご」という水族館にも行きました。猿で有名な高崎山の前にあります。
立派な水族館でした。パフォーマンスステージではセイウチの芸を鑑賞。お見事でした。


幼稚園・小学校時代(長崎の南山幼稚園・南山小学校)の恩師のシスター方にも
久しぶりにお会いできました。

いやー、別府は本当に良いところでした。
とても楽しい里帰りでした。


ちなみに、妹は昨年からここで、中1〜高3の志願生たち(シスターのたまご)のお世話をしています。
とても明るい雰囲気の修学院です。

サレジアン・シスターズに興味のある方は、「ホームページ」をご覧あれ。別府の修学院は「ここ」に載っています。



≪1月25日≫

私が担当しているラテン語クラスの原典読解の今回の最終課題は、
アンドレアス・カペルラーヌス(Capellanus)の『宮廷風恋愛について』であった。

カペルラーヌスは、12世紀のフランス王国の宮廷付き司祭だった人らしい。
中世の騎士精神に基づいて恋愛の作法を説いたのが、この書なのである。

3巻に分かれていて、その第2巻の最後に、ブリトン人の騎士がアーサー王の
宮殿から「愛の法則」が書かれた巻物を持ち帰ったという話が書かれている。

世にも美しい貴婦人の愛を獲得するため、一人のブリトン人の騎士が、不思議な
少女の助言に助けられて、アーサー王の宮殿にいる勝利の鷹を捕らえに出かける。

途中に次々と現れる怪物のような騎士や門番と命がけで戦い、傷を負いながらも
道を進んで行き、ついに宮殿までたどり着き、最後の戦いに勝利して、鷹を手に
入れる。その時、ついでに手に入れたのが、この愛の法則の書なのである。

愛の神が書いたというその愛の法則の書と鷹を、騎士は祖国に持ち帰り、愛する
貴婦人に差し出して、めでたく彼女と結ばれたのであった。


まるでテレビゲームのような物語だが、さて、その愛の法則とはどういうものかと
いうと、31ヵ条の簡潔な格言集みたいなものである。

物語によると、多くの貴婦人や騎士たちが集められ、会議を開いて、この法則を
世界中の全ての恋人たちが厳守するよう公布することが決議されたという。

それほど素晴らしい法則なのだが、たとえば、


「恋に悩む人は睡眠や食欲が減退する」

「恋の相手が突然現れると、恋する人の心は震える」

「恋する人は皆、愛する女性の前では青ざめる」


など ・・・ええとまあ、さほど重要なオキテには見えないものもある。

しかし他方、


「真の恋をしている人は、愛する人が喜ぶこと以外は何も善とみなさない」

「誠実さだけが、人を愛に値する者とする」


など、結構なるほどと思うものもある。


この本には『宮廷風恋愛について』と『宮廷風恋愛の技術』という表題の2種の
日本語訳があり、南山の図書館にも入っています。恋に悩んでいる人、あるいは
騎士風の恋愛に興味のある人は、ちょっと目を通してみては、いかが。




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