2005年10月の雑記



≪10月2日≫

今週の土曜日、南山大学名古屋キャンパスの芝生広場で、野外宗教劇「受難」が公演される。これは、ロゴスセンターを拠点に活動する受難劇クラブ(PPC)が毎年行っているもので、今年で39回目を迎える。


受け継がれた伝統と、毎年新たに生み出される脚本と演出で、この演劇は毎年深い感銘を観衆に与えている。南山には「キリスト教概論」という必修科目があるが、この受難劇をみれば、その授業の内容がもっとよく分かるようになると思う。10月8日(土)午後6時開演。入場無料。ぜひどうぞ。



≪10月9日≫

昨日は、二つの大きなイベントがあった。

ひとつは受難劇。南山大学名古屋キャンパスのパッヘ・スクエア(芝生広場の中心)で毎年行われている、イエス・キリストの受難を描く野外劇である。昨日はあいにくの雨であり、またかなり寒かったが、そんな悪天候はものともせず、元気一杯に劇は上演された。


これは最後のカーテンコールの時の様子。雨のため観客は少なかったが、ひたむきで熱のこもった演技に、惜しみない拍手が送られた。

受難劇の案内には、「雨天の場合、翌週に順延」と書かれている。昨日は朝からけっこうひどく雨が降っていたので、たぶん多くの人が受難劇は中止だと思って、観に来なかったのではないだろうか。あれほどの雨でも決行するのなら、来年はポスターに、「大雨洪水・暴風警報が発令されない限り、やります!」と大きく書いてはいかがだろうか。そしたら、たとえどしゃぶりの雨でも、受難劇ファンは傘を持って必ずパッヘ・スクエアに集まると思うのだが。


さて、もうひとつのイベントは、神言修道会の叙階式(じょかいしき)であった。これは午後2時から杁中(いりなか)の南山教会で、野村純一司教様の司式で執り行われた。

今年叙階されたのは、エドガルド・サンチアゴ(通称ディンドー)さんと、暮林響(くればやし・ごう)さんである。二人とも私のよく知る人たちである。特にフィリピンから来たディンドーさんとは、ザビエルハウスで数年一緒に生活したこともあって、親しい。

叙階式とは、カトリックの司祭(神父)の資格が正式に与えられる式である。才能も意欲も充分にあるこの若い二人の司祭たちの活躍に大いに期待したい。


これは、叙階式の翌日、つまり今日、神学院で行われた、「初ミサ」。写真が小さくて申し訳ないが、祭壇中央の二人が新司祭、とりかこんでいるのは司祭団、左側の壁に並んでいるのは、神学生による侍者(じしゃ)団である。

昨日の叙階式では私自身も司祭団の一員として前に出たため、写真を撮ることができなかったが、今日は前に出ずに客席に座った。昨日の叙階式も今日の初ミサも、お祝いに集まった信徒のみなさんで、聖堂は超満員であった。特に昨日の叙階式は、信徒の方はもとより、司祭の数が例年になく多かったように思う(上の写真のたぶん4倍かそれ以上の数の司祭団だったと思われる)。ディンドーさんと暮林さんの信望の厚さが現れているのだろう。

初ミサの後は、神学院の中庭でバーベキューの祝賀会。今日は、昨日の受難劇には気の毒なくらい、きれいに晴れ上がっていて、暑いくらいだった。受難劇が今日だったらよかったのに・・・。でもまあ、あれはあれで感動的でよかったと思う。受難劇のみなさんも、叙階式と初ミサで裏方として働いた神学生のみなさんも、本当にどうもお疲れさまでした。



≪10月20日≫

ちょっと書くのが遅くなってしまったが、先週末15日〜16日は、南山大学ウイングクラブの年中行事である「ウイング一泊旅行」に行ってきた。


今年のウイング旅行の参加者は約40名。目的地は石川県。山代(やましろ)温泉にゆっくりつかって疲れをとり、兼六園をはじめ金沢の美しい町並みを味わい、おいしいものを食べ、たらふく飲んで楽しもうという企画。朝10時に南山大学名古屋キャンパスから、バスはさっそうと出発した。


1日目に温泉への途中に訪れたテーマパーク、「ゆのくにの森」。北陸自動車道の加賀インターの近くにある。ここでは、和紙の手漉き、金箔はり、ガラス工芸、九谷焼(くたにやき)作り、など50種類以上の伝統工芸が体験できる。あいにくの雨だったが、こういうのどかな所では、雨もまたそれなりに良い風情をかもし出してくれるので、悪くはない。


山代温泉の雄山閣に到着。2人〜4人が組になって部屋に入った。ゆったりとした広い部屋を使わせていただけた。夕食の宴会ではカニを中心とした料理を楽しんだ。


帰りのバスの中では、恒例のビンゴ大会。ウイング流のビンゴでは、2列の穴が揃わなければ、あがれない。1列あがりよりも時間がかかるが、その分長く楽しめる。遊び心に満ちた楽しい景品もたくさん用意された。景品を獲得したみなさん、おめでとうございます。


というわけで、今年のウイング旅行も無事完了いたしました。企画や準備はたいへんでしたが、やりがいのある、とっても楽しい旅行でした。参加者のみなさんどうもありがとうございました。そして実行委員のみなさん、どうもお疲れさま。次の企画もがんばりましょうね。



≪10月23日≫

今日のお昼近く、研究室で仕事をしていた私は、なぜか無性に蕎麦(そば)が食べたくなった。

それも、せっかくなら、きっちりとおいしい本格的な手打ち蕎麦を食べたいと思った。

そこで、インターネットで、近くにそういうお蕎麦屋さんがないかどうか調べてみた。

しばらくあちこち探しているうちに、本山に、手打ち蕎麦のお店が最近オープンしたことが分かった。SLOW FOOD(スローフード)というお店らしい。お蕎麦屋さんにはめずらしい名前だなあ、と思ってよく見たら、なんと、その店の主人は、私の後輩であった(つまり彼も南山人のひとりである)。これにはびっくりした。

長いこと会う機会がなかったが、勤めていた会社をやめて脱サラし、偉いお師匠さんのもとで蕎麦打ちの修行をしていたようだ。それがめでたく免許皆伝の腕前となり、こうしてお店を開くまでになったのだろう。何があったのか知らないが、きっといろいろと苦労したのだろうなあ。


心のやさしい、誠実でひたむきな人だった。

きっと人一倍真剣に、誠心誠意を込めて修行を積んだに違いない。すごくがんばったのだろうなあ。


彼の作る蕎麦をぜひ食べてみたいと私は思い、出かけて行った。


南山大学(名古屋キャンパス)東門から山手通りに出て、本山の方に向かい、名古屋大学を超えてしばらく行くと、左側に「ルーツストーン・パート2」というテナント・ビルが現れる。蕎麦屋スローフードはこのビルの地階にあった。


メニューが1階の入り口に置いてある。この階段を下りて右側が入り口である。

店に入ると、蕎麦を一生懸命作っている彼の姿があった。目と目が合って、お互いにっこりと笑い合った。10数年ぶりの再会である。非常に懐かしい思いがした。しかし、仕事に集中しているようだったし、他にたくさんお客さんがいらっしゃったので、あえて声をかけないことにした。以心伝心というやつで、言葉がなくても心は伝わると思ったのである。

ざる蕎麦を食べた。

蕎麦好きを喜ばせる、本格的で本当においしい手打ち蕎麦だった。彼らしい誠実さが感じられて、うれしかった。

また、この店には、キリン・ハートランド樽生ビールが置いてある。飲んでみたら、これがまたとてもおいしかった。蕎麦に合う味だとも思った。

最後まで特に言葉は交わさず、ただ互いにまた微笑んで、「ごちそうさま」、「ありがとうございました」という挨拶を交わしただけで、店を出た。これでよいのだ。来てよかった・・・私は非常に満たされた思いで帰路についた。また食べに行きたいと思う。



たいへんおいしい蕎麦でした。蕎麦がお好きな方、ぜひどうぞ。午後2時以降は蕎麦を使ったお菓子が食べられる喫茶店になるようです。

     SLOW FOOD (スローフード)
     名古屋市千種区四谷通り2-10 ルーツストーンパート2B1-A
     TEL 052-782-8177
     営業時間 昼の部午前11:30〜午後2:00
     ティータイム午後2:00〜午後5:30
     夜の部午後5:30〜午後9:30(Last Orders)
     定休日 水曜日



≪10月27日≫

南山大学ロゴスセンターでは、毎週水曜日のお昼(12:15〜45)に学生のためのミサをしている(ちなみに、どなたでも参加自由です)。

先日は、このミサの時間を使って、今月8日にめでたく司祭に叙階された、暮林響(くればやし・ごう)神父さんの初ミサが行われた。

暮林響さんは、ロゴスで活動する学生たちにもよく知られている。ロゴスの小さな聖堂は、たくさんの人でいっぱいになった。和気あいあいとした良い雰囲気の御ミサであった。


南山大学スコラ・カントールム(通称「なんすこ」)のメンバーが、暮林響さんのために聖歌を合唱してくれた。聖堂にふさわしい荘厳で美しい合唱だった。なんすこは、この頃めきめきとア・カペラの腕を上げており、あの有名なタリス・スコラーズみたいな雰囲気さえ出てきている。暮林響さんも、この合唱団のバスのパートで活躍していた。

ロゴスで活動する4つの学生クラブ、「LLC」、「受難劇」、「アバンギャルド」、「なんすこ」のメンバーは、日を改めて、暮林響さんのためにロゴスのホールでお祝いの食事会を開く計画だそうである。いいねえ。先輩思いで、人と人とのつながりを大切にする、そして本当に心がひとつにまとまった人たちなんだなあ、と私はいつも感心している。




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