教員essay

【ゴールドコースト通信 第二部】


1.はじめに
 ゴールドコーストに来てから8ヶ月が経過した。その間に私は、この個性豊かな町でさまざまな経験を積み、見聞を広げることができた。
  日本人はオーストラリアというと、赤土の砂漠にところどころに短い草が生えていて、その上をカンガルーが跳ねている風景を思いうかべがちではないだろうか。しかし、ゴールドコーストの郊外の風景はそれとは全く違っている。ゴールドコーストの最南端に近いクーランガッタ(Coolangatta)空港から約30 キロ内陸にはいったところには、高層建築のひしめく海岸の観光地からは想像することができないような、亜熱帯雨林に覆われた山地が広がっている。南太平洋の荒波が打ち寄せる海岸と深い緑の山地とを併せ持つゴールドコーストの自然は複雑で、それと向き合って生きる人々の暮らしも多様である。
  この地で私は自然や社会・経済人間に関する多くのことを学んだような気がしているが、実際はそれらのごく一部を垣間見たに過ぎない。しかし、興味をもった事柄に関しては時間をかけて調べており、忘れないように記録しておきたいこともある。以下は2005年の2月から4月にかけての見聞や体験に基づき、また当地に関する資料を見ながら記述した備忘録のようなものである。





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