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事業概要

文部科学省:採択の詳細

 南山大学は、平成18年度「魅力ある大学院教育」イニシアティブ(文部科学省)に大学院人間文化研究科言語科学専攻で取り組んでいる「言語科学国際共同研究のカリキュラム化(コンソーシアム協定に基づく若手研究者の育成)」を申請し、このたび採択されました。
 人間文化研究科言語科学専攻は、言語研究に基づいた人間性の本質の追究と、国際的に活躍しうる高度専門職業人、研究者の育成をめざして、旧来の外国語学研究科英語教育専攻・日本語教育専攻を改組する形で2004年4月に開設されました。国際的に通用する「言語の専門家」を養成するために、欧米の大学で学位を取得している研究者を中心に教員組織を構成し、専門的研究に取り組む研究科目、研究指導科目に加えて、海外の言語学大学院で通常必修とされる科目群を配置しています。
 設置以来、学生がより積極的に、また、より高度なレベルで国際共同研究に貢献できるように教育課程を充実させてきましたが、今回の事業は、その一環として、国外の7大学と連携し、国際共同研究のインターンシップ的訓練を行うものです。

<参考> 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ

 「魅力ある大学院教育」イニシアティブは、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ独創的な教育の取組(「魅力ある大学院教育」)を重点的に支援するものです。

申請分野は〈1〉人社系 〈2〉理工農系 〈3〉医療系 の3分野。
平成18年度は、129大学268件の申請があり、35大学46件の取組が採択されました。

【本事業の概要】
機関名 南山大学
申請分野(系) 人社系
教育プログラムの名称 言語科学国際共同研究のカリキュラム化 
(コンソーシアム協定に基づく若手研究者の育成)
関連研究分野 言語学

[本事業の全体像]

 南山大学は、キリスト教的世界観を建学の理念として、「人間の尊厳のために」を教育のモットーに掲げ、1949年に発足しました。当初から国際性と国際的貢献を教育・研究活動の中心に据え、2004年4月に大学院研究科を改組し、人間文化研究科を設置した際にも、人間性の本質の追究と国際的に活躍しうる人材の育成をその主要な目的としました。今回の事業を行う言語科学専攻は、本学言語学研究センターの国際的・先端的研究活動に立脚しつつ、日本語研究を基礎として人間言語の普遍性を解明することをめざし、人間文化研究科の目的の実現に努めています。
 言語科学専攻は、国際的に活躍しうる高度専門職業人、研究者の育成をめざすものですが、国際共同研究プロジェクトに積極的に貢献しうる力、さらには、そのようなプロジェクトを自ら企画・遂行する力を学生に身につけさせるために、教育プログラムの高度化と実践的側面の強化を進めています。本事業では、修士 (博士前期) 課程が3年目を迎え、博士後期課程が設立される2006年4月を機に、(i) 先端的研究と研究者養成において指導的な役割を担っている海外7大学の言語学・日本語教育プログラムとコンソーシアム協定を締結し、(ii) 協定校の教員と若手研究者が参加して、国際共同研究のインターンシップ的訓練を行うコンソーシアム科目を専門科目として開講し、さらに、(iii) 学生の研究指導にも本学と協定校の教員が協力してあたるシステムを構築することによって、国際的に活躍しうる人材育成のための教育体制をさらに強化します。

[審査結果の概要および採択理由]

 「魅力ある大学院教育」イニシアティブは、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ独創的な研究者養成に関する教育取組に対し重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的な展開の強化)を推進することを目的としています。
 本事業の趣旨に照らし、

  1. 大学院教育の実質化のための具体的な教育取組の方策が確立又は今後展開されることが期待できるものとなっているか
  2. 意欲的・独創的な教育プログラムへの発展的展開のための計画となっているか
    の2つの視点に基づき審査を行った結果、当該教育プログラムに係る所見は、大学院教育の実質化のための各項目の方策が優れており、十分期待できるとともに、教育プログラムが事業の趣旨に適合しており、その実現性、一定の成果と今後の展開の面も期待できると判断され、採択となりました。

 なお、特に優れた点、改善を要する点等については、以下の点があげられます。

〔特に優れた点、改善を要する点等〕
  • ヨーロッパ言語と類型的に異なる日本語と他言語の比較を通じて、一般言語理論の発展に寄与し、その成果を国際共同研究の中でさらに発展させることのできる若手研究者の養成を急務と捉える問題意識と目的意識が明確化されている。
  • 外国の協定校とのコンソーシアム科目(国際共同研究セミナー)を設定し、国際的要請に応えうる研究者の育成を目指す手法は斬新・独創的な取組である。
  • 研究科共通科目、基礎科目、概論科目、研究科目、研究指導科目を中心として教育課程が工夫されている。
  • ただし、FD(教育内容・方法等の組織的研究・研修)の実施体制や実施内容・方法に関して、さらなる工夫が必要である。