ここ数年,1回の測定で変化を把握できないかといろいろ調べ,回顧的プレテスト(retrospective pretest)という方法が海外の研究でしばしば使われているのを見つけ,それに関する研究を進めていました。考え方や方法は非常にシンプルで,ポストテスト時に事前を回顧して回答を求める方法です。ポストテストと回顧的プレテストを同時に実施することで,回答の際の内的基準が統一されるという,主観的報告で生じやすいと懸念される再較正を排除できると考えられるわけです。
担当していた授業や,単発のキャリアの講演会などを材料に,この方法の可能性を探ってみました。「変化の把握ならば,プレ−ポストデザイン!」という状況が変わっていかないかなという思いもあります。関心をお持ちであれば,ぜひご一読いただければ幸いです。