t検定 

 2群の平均の差についての検定である,t検定の説明に入ります。ある変数Aの男女差とか,べつの変数Bの高低群の差(ちょっと語弊があるか)の有意差を算出します。

  さて手順です。

分析
  → 平均の比較
   → 独立したサンプルのt検定

 そうすると,「独立したサンプルのt検定」というダイアログボックスが表示されます。比較したい変数を「検定変数」のボックス内に移し(複数指定可),グループを定義する変数を「グループ化変数」に移してやればよいのです。「グループ化変数」に変数を移してやると,その下にある「グループの定義」というボタンがアクティブになります。それをクリックします。例えば性差を検定したくて,またそこには,男性は1,女性は2で表現されているとすると,「グループの定義」というダイアログボックスの「特定の値を使用」にチェックし,「グループ1」に1を,「グループ2」に2という数字を入力してやればよいのです。

 サンプルとして,c1,c2,c3という項目について性差を検討した出力結果をみてみます。

 最初に,それぞれのグループごとの人数,平均値,標準偏差などが示された表が出力されます。その後に,次のような検定結果を示す表が出力されます。

 ここでちょっと注意です。
 各項目について,「等分散を仮定する」というものと「等分散を仮定しない」という2つの検定結果が示されています。これらのどちらを見ればよいのかは,「等分散性のための Levene の検定」の結果を踏まえて判断します。一つの基準に過ぎませんが,これが5%水準で有意であれば「等分散を仮定しない」場合の検定結果を,有意でなければ「等分散を仮定する」の結果を用いればよいでしょう。

 上の結果例でいくと,c3で等分散性の検定結果が1%水準で有意となっています。そこでこの項目については「等分散を仮定しない」の結果を,それ以外は「等分散を仮定する」の結果を読みとります。結論としては,c1において5%水準の有意差が認められたということになります。

■ちょっとした発展!
 ☆例えば親の身長と子の身長の差を検定する場合などは,対応のある場合のt検定を使います。

分析
  → 平均の比較
   → 対応のあるサンプルのt検定

 どういう場合が対応があって,どういう場合がないのかについては,自分で調べてください。

***********シンタックス

t検定のコマンドとしては,T-TEST が使われています。使い方は以下のような感じです。ダイアログボックスを使い,貼り付けで書き出すと以下のようになっています。

T-TEST_ GROUPS=sex(1_2)
 /MISSING=ANALYSIS
 /VARIABLES=c1_c2_c3
 /CRITERIA=CI(.95).

半角アケの部分が見えにくいので,_(アンダーバー)にしてあります。

GROUPS= の後が,「グループの定義」で行った操作になります。

/MISSING=ANALYSIS は欠損値処理の指示,/CRITERIA=CI(.95) は,信頼区間(上の表,右側の「差の95%信頼区間」を操作します)についての指示です。これらはともに省略可です。