データを入力する 

 データが集まりはじめたら,コンピュータに入力しましょう。コーディング方法(変数名,回答と入力データの対応…性別ならば,男性を何と,女性を何としたのか。尺度への回答は,どの選択肢を選んだら何という数字を入れるのかなど。数字は,1から始まる整数を使うのがよいでしょう)は,ちゃんと控えておきましょう。
 ここではデータの入力として,2つの方法を書いておきます。その一つは,SPSSのデータエディタを使って直接入力をする方法。もう一つは,Excelを使って入力を行い,SPSSに読み込ませるという方法です。扱いやすさのことを考えると,Excelを使って入力を行いデータを眺めた後SPSSへという流れをお勧めします。
 なお通常のワープロを使って入力し,テキストファイルで保存したデータも読み込むことが可能です。

●SPSSのデータエディタを使う場合

 SPSSを起動すると,まず「無題1 … データエディタ」という空白のシートが現れます(起動直後に「実行する作業」のダイアログが開いた場合は,「データを入力」を選んで下さい)。ここにデータを入力していきます。
 まずは,変数名の入力から始めましょう。表の左下についている「しおり」のようなもの(タブと言います)の「変数ビュー」をクリックして下さい。表が変わります。この表の「名前」の欄に変数名を入力していきます。まず最初の欄に通し番号を入れたいのであれば,名前に「番号」と入力しEnterを押して下さい。自動的に「型」とか「幅」とかの欄が記入されていると思います。この欄も変更できるのですが,とりあえず通常の数字データだけを入力するのであれば,このままでかまいません。
 なお「名前」には,半角数字で始めることはできない,ピリオド(.)で終わってはいけない,スペースや特殊文字(!,?,',*)などは使えない,大文字と小文字は区別しない,などの特性・条件があります。ダメな場合はエラーメッセージが出ますので,対応して下さい。すべての名前の入力が終われば,「データビュー」タブをクリックして,データ入力画面に移ります。一番上の欄に,先に入力した変数の名前が並んでいるはずです。
 では数字を入れていきましょう。点キーと矢印キーで入力していきます。1と入れても1.00と変換されますが同じなので気にしません。欠損値があれば,そこは飛ばして下さい。ピリオド(.)だけが残ります。SPSSではデフォルトの欠損値(システム欠損値)はピリオド(.)になっています。こうやって全てのデータを入力していきます。
 最後に保存ですが,「ファイル」から,新規の保存の場合であれば「名前を付けて保存」,同じ名前で保存するのであれば「データの上書き保存」を選びます。「名前を付けて保存」の場合はファイル名を付けるように要求されますので,適当な名前を付けておいてください。なお拡張子はsavが自動的に付加されます。

●Excelを使う場合

 ここではExcelの説明はしません。第1列目に変数名を,2列目以降にデータを入力していきます。このときにも注意があります。ほとんどは,上記のSPSSのデータエディタを使う場合と同様です。
 変数名には,半角数字で始めることはできない,ピリオド(.)で終わってはいけない,スペースや特殊文字(!,?,',*)などは使えない,大文字と小文字は区別しない,などの特性・条件があります。また欠損値があれば,そこは何も入力せず飛ばして下さい。
 また保存方法ですが,通常の保存でかまいません(拡張子がxls,xlsx)。
 最後に,SPSSへの取り込みですが,SPSSを起動し,「ファイル」から「開く」「データ」を選択します。出てきたウインドウ(ダイアログボックスといいます)で「ファイルの場所」を指定し,「ファイルの種類」「Excel(*.xls …)」にあわせます。取り込みたいファイルが出てきたらそれを選択し「開く」をクリック。「Excelデータソースを開く」のところは,1シート目にデータが入力されていて,また変なところにゴミを入れてなければさわる必要はないでしょうから,そのまま「OK」を。シートを選ぶ時は,「ワークシート」の部分で選択してから「OK」を。そうすると,データエディタにうまく入ってきているはずです。ただし,直接入力の場合は,1を入れると1.00になりますが,Excelからの取り込みだと,1は1となっていると思います。また欠損値(空白にしておいたところ)は,ピリオド(.)になっているはずです。
 以上の手順で取り込んだ後は,「変数ビュー」で変数の数を確認し,新規で保存しておいてください。

■注意!

 データは,必ず2つのUSB等に記録しておいてください。一つは保存用,一つが作業用です。