2006年10月の雑記
≪10月6日≫
今年も受難劇の季節がやってきた。
公演は10月14日、つまり来週の土曜日の午後6時から。
南山大学・名古屋キャンパスのパッヘ・スクエア(グリーンエリア)にて。
入場無料。
南山の伝統行事となっている、この宗教劇、
今年は第40回目という、記念すべき公演となる。
熱気に満ちた、すばらしい舞台を今年も見せてくれることだろう。
ところで、この受難劇、
ポスターには、延期の場合の日程が一応書いてあるのですが、
実は、
よほどの悪天候でないかぎり、延期にはなりません。
おそらく、
警報でも発令されない限り、
きっと雨天決行で公演は行なわれます。
昨年も、かなりの雨が降りしきる中で公演が行なわれました。
雨だから今日は中止だろうなんて思ったら、見逃してしまいますから、どうかご注意を。
≪10月9日≫
今年の夏休み、南山大学写真部は、九州の長崎に撮影旅行に出かけた。
長崎は私の故郷である。
しかし残念ながら多忙のため、私は一緒に行けなかった。
ところが、なんと嬉しいことに、
心優しい写真部のみなさんが、私におみやげを買ってきてくれた。
「がんばらんば」という名の付いた、長崎のお酒とDVD。
みんな、どうもありがとう〜。
「がんばらんば」とは長崎弁で、「がんばらなくちゃ」という意味である。
DVDの「がんばらんば」は、
長崎出身の歌手さだまさしさんの新曲のプロモーションビデオ。
左のお酒の「がんばらんば」は、この新曲を記念して発売されたものらしい。
中身は、3年連続で全国新酒鑑評会の金賞を受賞したという、銘酒「ふるさと讃歌」。
「がんばらんば」という文字は、さだまさしさんの直筆だそうである。
さて、この「がんばらんば」という曲は、
さだまさしさんには珍しい、ラップ曲である。
しかも、手加減なしのモロなる長崎弁での、歌って踊るラップだ。
ラップとは、米国のストリート・ミュージックから生まれたという、
リズムにのって、やたらめったら早口でしゃべくりまくる唱法である。
この曲を聴いたとき、久しぶりに聞く長崎弁だったこともあり、
まるで、外国語を聞いているような気持ちがした。
しかしこの曲、インターネットで調べてみたら、
CD・DVDともに大ヒット中なのだそうである。
・・・このモロ長崎弁の曲が?
ま、いちおう歌詞には訳文が添えられているが。
(ちなみに訳文は、「標準語訳」ではなく、「日本語訳」と書かれている・・・)
すばらしいことには、DVDは、
振り付けの松下美樹さん御自身による、懇切丁寧な
踊り方の特別講座付きである。
で、その踊りとは・・・
・・・・・
ひょっとして、
すでに名古屋の街角でも、この曲が歌って踊られているのだろうか・・・?
・・・・・
あ、あなたも・・・ぜひ、いかがですか?
≪10月15日≫
昨日上演された南山の秋の風物詩、受難劇は、
天候にも恵まれ、大盛会であった。
緑に囲まれた、グリーンエリアが上演会場。
なだらかな斜面の芝生の上に座って、人々は観劇する。
パッヘ・スクエアを中心に、周囲の建物や噴水、小道、丘などを
上手に使って、演出がなされていた。
風もなく、さほど寒くもなく、野外劇にはちょうど良いお天気だった。
秋の虫たちの鳴き声が響いていた。
いつものように、3時間に及ぶ大作。
脚本も演出も配役も、毎年新たに作られる。
今年も気迫あふれる演技と演出で、会場に詰め掛けた、学生をはじめとする
大勢の人々を魅了していた。
今回の受難劇を拝観して、私は、
次のようなメッセージを強く感じた。
人を救うのは戦いではなく愛なのです
ひとりひとりの愛の心と行いによって
平和な社会を築いてゆきましょう
すばらしい公演でした。
≪10月23日≫
みなさんは、菱(ひし)という水草を知っていますか?
こういう形を「ひし形」と言いますが、
その名の由来となったのが、菱なんです。
こういう姿をしています。
この水草の実の形、もしくは葉の形から、
「ひし形」という言葉が生まれたそうです。
とっても地味だけど、
なんだか健気でかわいらしくて、ちょっと風流なので、
私は好きです。
菱は、じつは日本では古くから親しまれている水草です。
花は夏の季語、実(み)は秋の季語。
実は食用になります(私はまだ食べたことがありませんが)。
万葉集にも、柿本人麻呂の、菱を詠んだ次の歌がのっています(1249番)。
君がため
浮沼(うきぬ)の池の 菱(ひし)摘(つ)むと
我(あ)が染(そ)めし袖(そで) 濡(ぬ)れにけるかも
「あなたのために浮沼の池の菱〔の実〕を摘もうとして、
私の染めた着物の袖は、すっかり濡れてしまいました」
<渡瀬昌忠『万葉集全注』(有斐閣)第七巻参照>
大好きなあなたをもてなすために、苦労して私、菱の実を摘んだのよ
せっかくきれいに染めた着物の袖が、すっかり濡れちゃったのよ、という歌。
風流でしょ。
さて、この菱なんですが、
南山大学(名古屋キャンパス)でも見ることができることを知ってますかな?
どこでかというと・・・
ここです。
そう、第一食堂。意外?
中に入って、
こちらに向かい、
「クロワッサン」の中に入りましょう。
クロワッサンの中です。
窓の外に小さな庭がありますね。
その庭に、小さな池があります。
菱がいるのは、この池の中です。
おお〜、いましたね〜。
これが菱。
たいへんたいへん地味なやつです・・・
以前はもっとたくさんの菱がいたと思うのですが、
今日は2つしか見つかりませんでした。
実(み)は水中にあります。
菱は夏に小さなかわいい花を咲かせます。
でも夏場はやぶ蚊が多くて、あまりゆっくり菱を鑑賞できません。
涼しくなって蚊もいない今が、見るにはちょうどよいかも。
南山のいわば隠れスポット
第一食堂の中庭の、菱のいる池を、
おひまな時に、どうぞご覧あれ。
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