仕舞 舎利キリ

 

五番目物

季節 不明

 

ストーリー(下線部が仕舞部分)

 舞台は京の東山、泉涌寺(せんにゅうじ)。京の仏閣を見ようとやってきた僧が寺男の案内で仏舎利(ブッダの骨)を拝んでいると、里人がやってくる。共に仏舎利を拝み、そのいわれを里人から聞いていると、にわかに空が曇り稲妻がはしり、里人の顔が鬼と化す。そして自分は昔舎利を望んだ足疾鬼(そくしっき)の執心であるというと、牙舎利(ブッダの歯)を奪い虚空に飛び去る。
 僧は寺男から昔足疾鬼が舎利を盗もうとして韋駄天(いだてん)に阻止されたことを聞き、二人で祈ると、韋駄天が現れ足疾鬼を下界から天上界まで追い上げ追い回し、舎利を取り返す
 

 

意気込み

シテ・足疾鬼
 韋駄天と足疾鬼の史上最大の鬼ごっこはスリル満点。特に最初の三回転の追い駆けっこと、韋駄天にはたき落とされてくるくるくると足疾鬼が三回転するところを見ていただきたいと思います。息ぴったりの相舞を目指します。憎めないいたずらっ子足疾鬼の魅力を感じて下さい。

ツレ・韋駄天
 キリの相舞は舎利を望む足疾鬼と取り返そうとする韋駄天の壮大な競争です。天上界狭しと走り回るスピード感、スケールの大きな追い駆けっこをお楽しみ下さい。天界一の俊足を誇る韋駄天の速さを表現できるよう頑張りますので、よろしくお願いします。