連調 羽衣クセ

 

三番目物

季節 春

 

ストーリー(下線部が連調部分)

 三保の松原(静岡県)に白龍という男が住んでいました。白龍がある日釣りに出かけると、空から花が降り、なんともいえない良い香りと共に音楽が聞こえてきました。ふと見ると松の枝にとても美しい羽衣がかかっています。白龍はこの美しい羽衣を家宝にしようと思い、持ち帰ろうとします。しかし、羽衣の持ち主である天女に呼び止められます。天女は、その衣がないと天へ帰れない、と言い嘆き悲しみます。しかし、白龍は返そうとしません。天女が一層悲しい表情をするので、白龍は天上の舞を見せてくれるなら羽衣を返そう、と約束します。天女は喜び、羽衣を着て三保の松原の美しい春景色を讃えて舞います。そして、天女は風に乗って、富士を見下ろしつつ空の霞にまぎれて消え去っていきました。