仕舞 岩船キリ
五番目物
季節 九月
ストーリー(下線部が仕舞部分)
時の帝が住吉の市で唐の物品を買ってくるように宣旨を下しました。その住吉の市で、帝の命を受けた臣下は中国の服を身にまといながら日本語を話すという不思議な子どもに出会います。臣下はその子供に宝珠を渡されます。その宝珠があまりに立派なので驚いた臣下が尋ねると、「ただの宝珠だが、心の如くなる宝珠なのだ」と答えました。この宝珠が「如意宝珠」だと臣下は気づくと、実は自分は岩船のこぎ手である天探女(あまのさぐめ)であると明かし、姿を消します。
やがて、臣下の前に竜王とその眷属である八大竜王が現れ、岩船を引っ張ってきます。岩船とは宝船であり、住吉の岸にこぎ寄せ天からの金銀宝珠のささげ物をします。そうして天は日本を守護し、千代先まで栄える国としました。
意気込み
岩船を引っ張ってくるときの綱を引く形や、つよいものならではの所作に注目してください。