仕舞 安宅キリ

 

五番目物

季節 二月

 

ストーリー(下線部が仕舞部分)

 兄頼朝に追われ、奥州藤原氏をたよりに北陸路をくだる義経・弁慶一行。弁慶らは山伏の姿に、義経は強力(荷物もちの下男)の姿に扮し安宅関を通ろうとするが、関守の富樫に引き止められてしまいます。富樫は、本物の山伏ならば勧進帳を読み上げよと弁慶に命じました。それに対し、弁慶は白紙の巻物を勧進帳として高らかに読み上げ通過を許されるのでした。ところが、最後に強力の姿をした義経が通ろうとすると、富樫に見咎められてしまいます。すかさず弁慶は機転を利かせて義経を金剛杖で打ちのめし、その様子を見た富樫は、一行の正体を知ってか知らずか関所を通過させるのでした。
 しばらくのち、休んでいる義経らに富樫が非礼を詫びに訪れ、酒を振舞います。弁慶は豪快に舞い富樫に暇を告げ、一行は陸奥へと急ぐのでした

意気込み

 機転と度胸で安宅関を突破した弁慶を演じます。弁慶という人物の持つ力強さが表せる よう、一つ一つの動きに力をみなぎらせたいと思います。また、ひとまず安宅関は突破し たものの、まだ先はわからない追われる身である緊迫感も伝わるよう舞いたいです。