演目名

 

・五番目物

・秋

・1時間30分

 

ストーリー

 信濃・戸隠山の山中に鹿狩りに来た平維茂一行は、大勢の侍女たちと紅葉狩りの宴を催している美女と出会います。女達は維茂を引き留め、主演を共にするよう誘います。断りかねた維茂は酒宴に加わり、女たちは美しい舞を見せます。維茂はやがて酔いが回り寝入ってしまいますが、女たちはそれを見届けると鬼の本性を現し、「目を覚ますな」と言い捨てて山中に姿を消します。
 寝入った維茂は夢の中で神のお告げを聞き、美女の正体が鬼であることを知ります。そして目覚めた後、神から授かった神剣を抜き、本性を現した鬼女を退治したのでした。

見所

 この曲は、優美な雰囲気の前半から一転して鬼女と激しく戦う後半へと展開します。このシテの美女から鬼女という変貌が、最大の見所だと言えます。特に前半の最後では、鬼の正体を隠した優雅で美しい女の舞から鬼の本性を現した鋭く恐ろしい舞へと急激に変化します。