鐵輪
・四番目物
・九月
・1時間10分
ストーリー
夫に捨てられた女が貴船神社に丑の刻詣をし、神託の通り鉄輪(五徳)を頭にいただき生き霊となって夫のもとへ向かいます。一方、夢見の悪い夫は陰陽師(安部晴明)に祈祷を頼みます。女は後妻を殺しますが陰陽師に追い立てられ、「今回はこれで帰ろう」と言い残して闇に溶けていきます。
見所
なんと言っても仕舞に含まれる、恨めしさと哀しさの籠もった後妻打ちは見て頂きたいですね。後妻の長い髪を手にグルグルと巻き付けて、頭をびしばしと打ちます。夫を取られた恨めしさと哀しさ。激しく打ち据えた後に、女は呆然と虚空を見つめます。愛するが故の悲劇です。