仕舞 猩々キリ
五番目物
季節 秋(九月)
ストーリー(下線部が仕舞部分)
場所は中国潯陽の里。そこに住む親孝行な高風という人物は、夢のお告げに従って市で酒を売って栄える。
高風の店には毎日、いくら酒を飲んでも酔わない老人が通っていた。高風が不思議に思い名を尋ねると、老人は潯陽の海中に住む猩々と名乗った。彼こそが夢のお告げをした者なのであった。
高風は酒の準備をして美しい月夜に潯陽の岬へ出向いた。やがて猩々は海から浮かび上がり酒を飲んで舞を舞うと、減ることも変わることもない、酒を満たした壺を高風に授ける。そして猩々は再び潯陽の海へと消えていくのであった。
意気込み
舞の中盤辺りに千鳥足でふらふらと後ろへ下がり、寝入ってしまう(枕扇)と言う場面があります。その寝てから目が覚めるまでの部分が個人的にとても気に入っていますので見てやって下さい。
全体として短い舞ですが、その分隅々まで気を配れるよう精進していきますのでよろしくお願い致します。