仕舞 紅葉狩クセ

 

五番目物

季節 秋

 

ストーリー(下線部が仕舞部分)

 信濃・戸隠山の山中に鹿狩りに来た平維茂一行は、大勢の侍女たちと紅葉狩りの宴を催している美女と出会う。女達は維茂を引き留め、主演を共にするよう誘う。断りかねた維茂は酒宴に加わり、女たちは美しい舞を見せる。維茂はやがて酔いが回り寝入ってしまうが、女たちはそれを見届けると鬼の本性を現し、「目を覚ますな」と言い捨てて山中に姿を消す。
 寝入った維茂は夢の中で神のお告げを聞き、美女の正体が鬼であることを知る。そして目覚めた後、神から授かった神剣を抜き、本性を現した鬼女を退治したのであった。

意気込み

 この演目は、優美な雰囲気の前半から一転して鬼女と激しく戦う後半へと展開します。このシテの美女から鬼女という変貌が、見所と言えます。私は前半の部分を演じるので、鬼の正体を隠した女の舞を、優雅に美しくできたらと思います。