舞囃子 小袖曽我
四番目物
季節 夏(五月)
ストーリー(下線部が舞囃子部分)
日本三大敵討ちの一つ、曽我兄弟の物語です。
話は兄弟が曽我の里の母親を訪ねるところから始まります。ここに来る少し前、兄十郎祐成と弟五郎時致は父の仇である工藤祐経を討とうと決心し、計画を立てていました。
そこで、仇討ちに出かける前に母のもとを訪ね、以前勘当されてしまった五郎のことを許してもらおうと思い、こうしてやってきた、と言う訳です。ところが、母親は五郎を許すどころか、彼をかばうのなら十郎をも勘当する、と二人に言い渡します。兄弟は母のつれない態度を嘆き、仕方なく家を後にしようとしました。しかし、二人がまさに家を出ようとしたとき、二人の様子に心打たれた母親は二人を呼び止め、許すのです。
ここで場面は変わって、兄弟の門出を祝う宴の席になります。母親に認められ喜ぶ兄弟は酌をし合って舞(男舞の相舞)を舞います。そして、憎き仇が現れるという頼朝の富士の裾野の巻狩りに参加すべく勇んで出発するのでした。
意気込み
シテ・十郎祐成
とうとうこの日がやってこようとしています。ドキドキです。兄と弟、個性それぞれピッタリ合わせるのは正直難しかったです。その中で、どれだけ心を合わせられるか、それが大きな目標でもありました。頑張りますので練習の成果を是非ご覧下さい。兄は弟から元気と勢いをわけてもらって舞います!!
ツレ・五郎時致
この曲は、シテである兄十郎とツレの弟五郎の相舞になります。ですからこの曲の見せ場は、堂々と力強い男舞と兄弟の息のあった動きと言うことができるでしょう。二人で舞うのは初めてなので、色々なれず大変な面もありますが、シテと出来る限り動きが揃うように注意したいです。
また、兄弟の印象として、兄の十郎祐成は思慮深く、弟の五郎時致の方がやんちゃなイメージがあるようです。私が演じさせてもらうのは弟の五郎なので、勘当が解けてはれて敵討ちに行ける身となった彼の喜びと勇ましい様子を、舞囃子のめでたい曲に乗せて表現できるようにしたいと思います。