近年、新たな学問領域として「文化資源学」が提唱されている。実際には、「文化資源学」自体の概念規定は曖昧であり、その使い方や意味づけもまちまちである。だが、大学における研究成果が、知的財産として広く共有化されることが求められている今日においては、従来の学問的枠組みを超えた「文化資源学」が有効に機能する可能性は高いといえよう。
「文化資源学」を考えるときに欠かせないのは、学術資料・学術標本である。そして、そうした実際の資料に関する研究と公開によって、知的関心を充足させ、より豊かな社会を築いていくための「資源」とすることが、「文化資源学」の主たる目的であるべきだろう。
そのような観点にたって、本研究プロジェクトにおいては、南山大学人類学博物館所蔵資料の研究と公開・利活用から、学術資料をいかにして「文化資源」化していくかについての総合的な研究の立ち上げを目的とする。
本研究プロジェクトが最終的に目的とするのは、以上のような研究とその公開を踏まえ、学術資料の「文化資源化」を通して、様々な人やモノや情報が出会い、それが新たな価値を生み出していくことを可能にするフォーラムとしての場の創出である。
人類学博物館所蔵資料は、過去と現在における人類の文化的多様性を良く示すものである。そして、以上のような研究によって、このことに対する認識が共有されることで、「豊かな社会」の創造に寄与できるであろう。
それぞれのテーマに基づいた研究プロジェクトを推進するために、以下のような部会を設定する。
| 資料研究 |
旧石器・縄文部会 |
白石浩之(愛知学院大学) 大塚達朗(南山大学)
山本直人 新美倫子(名古屋大学) 佐野 元(瀬戸市役所)
川添和暁(愛知県埋蔵文化財センター) 長田友也(南山大学非常勤講師) |
| 弥生部会 |
黒澤浩(南山大学)
石黒立人 宮腰健司 永井宏幸(愛知県埋蔵文化財センター) |
| 東アジア部会 |
西江清高(南山大学) 伊藤秋男(南山大学名誉教授)
原久仁子(多治見市文化財保護センター) 渡部展也(中部大学) |
| 人類学部会 |
森部一(南山大学) 量博満(上智大学名誉教授)
早川正一(南山大学名誉教授) |
| 文化資源化研究 |
博物館部会 |
小池富雄(徳川美術館) 川合剛(名古屋市博物館)
アッセマ庸代(南山大学) 里見親幸(丹青研究所)
森田稔(九州国立博物館) |
| 情報部会 |
鈴木志元 河野浩之(南山大学) 八重樫純樹(静岡大学) |
| 歴史部会 |
松田京子(南山大学) 領塚正浩(市川考古博物館) 永井英治(南山大学) |
※なお、プロジェクトメンバーは今後増員することが可能である。