第3展示室は、タイ西北部の山地民とニューギニアに関する人類学資料を展示しています。
タイ西北部山地民の資料は、1969年から上智大学が実施した「上智大学西北タイ歴史・文化調査団」による収集資料です。
この調査は、上智大学の白鳥芳郎教授が中心となって行われたもので、タイ西北部に居住するヤオ族・メオ族などの少数民族の歴史、宗教・儀礼、社会構造、 経済形態と生活技術を調査したものです。
その調査において、山地焼畑耕作民の農具などの物質文化が収集されました。現在、人類学博物館に展示されているのは、その資料の一部です。
また、日本では珍しい「ヤオ文書」といわれる、ヤオ族の間で伝承されてきた漢字文書もこのときに収集され、人類学博物館に保管されています。
ところで、人類学博物館で、どうしてこれらを収蔵・展示しているのかといえば、上智大学での保管が難しくなったこと、同じミッション系の大学であること、そして団長の白鳥教授が南山大学人類学研究所の客員研究員であったことなどの理由が挙げられます。
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| ニューギニア祖霊像 |
もう一つの人類学資料のコレクションは、ニューギニアに関するものです。
ニューギニアの資料は、南山大学が1964年に調査したときの収集品と、神言会の神父であったヘンリー・アウフェナンガー氏による収集品で構成されています。
南山大学の調査資料は、高山地帯に住む人々の物質文化が中心です。アウフェナンガー氏の収集資料は、ニューギニア北部の低地部・セピック河流域のものが多くあります。高山地帯の人々が、あまりモノを持っていないのに対し、低地部では祖霊像など、豊富な物質文化を持っていました。
南山大学による調査の目的は、「20世紀まで生き延びた石器時代人」という点にありました。確かに、当時ニューギニアの人々は石斧を使っていました。しかし、展示には1点だけ、鉄の斧があります。1960年代には「石器時代」から「鉄器時代」への移行が始まっていたのです。
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