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他人に何かを勧めるのは,なかなかに難しいことだと思います。勧める物事に対して,こちらがそれ相応の価値を認識し,紹介することに情熱を持っていないといけないからです。それほど情熱的に生きていない上に(からこそ?),大して引き出しも多くないワタクシですので,うんうん唸りながら10分ほど考えて,おすすめ本を紹介するという手に逃げることにいたしました。
「超能力はインチキだ」と考える人は結構いますが,そうであるのになぜやはり同じくらい多くの人が超能力を信じてしまうのか,○○に効くという健康食品(あるいは単に植物)の摂取のせいで死亡者まで出ているのにもかかわらず,なお医学的根拠のない民間療法などに走ってしまう人がいるのはなぜか,不思議ではありませんか?逆に,いやいや,超能力はある!とか占星術は当たる!と思っているのに,周りは曖昧な同意しかしてくれなくて憤懣やるかたない!という方はいませんか?そんな方々へは以下の本をお勧めします。
■T. ギロビッチ 守一雄・守秀子(訳)(1993). 人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか 新曜社
3045円と,ちょっと高めの上,新しくもない本書ですが,心理学を志す方あるいは自分は詐欺になんか絶対に引っかからないと思っている方にこそ,是非にとお勧めしたい一冊です。本学の図書館には,名古屋キャンパス・瀬戸キャンパスどちらにも1冊ずつ入っているようです。ちなみに,アマゾンにもありました。
本書の位置づけは,学術書というよりは一般書(教養書)なのですが,人がいかに論理的に物事を考えていないか,自分の信じたいことを信じてしまうかが,手を替え品を替え,高校生くらいの知識量があれば十分に判るように,平易な文章で丁寧に書かれています。訳もよいので読みやすいです。科学的手続きを経て得られた知見を基に論を展開していますし,その知見を文末で文献呈示という形で示していますので,さらに深く勉強したい人はそれらの文献にあたることも可能です。
昨今,耳目を集めている「放射能は健康にいい」とかいう放言や「原発の安全性に関する無批判な肯定派」の言説の根拠が,推測できるようになるかもしれません。あまり本書の内容をここで書いてしまうと,勧めた意味がなくなりますので,詳しくは是非お読みいただいて…。
(藤田)
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