《目次》
- 序章 現代において宗教哲学は可能なのか?
- 現代宗教哲学の課題
- 宗教哲学の他性と多性
- 悪、死者、苦しみ
- 第一部 悪をこうむる経験を考える
- 第1章 不可能な赦しの可能性──赦しの解釈学
- 1 赦し・罰・復讐──アーレント
- 2 赦し・罰・復讐を切り離す──リクール
- 3 赦しえないものの試練──ジャンケレヴィッチ
- 4 赦しえないものだけを赦す──デリダ
- 5 無条件的な復讐と赦しの範例へ向けて
- 第2章 暗い記憶の行き場──死者と復讐
- 1 記憶の場から
- 2 暗い記憶──救われない死者に面して
- 3 主題としての復讐
- 4 復讐と記憶──復讐の三要件
- 5 復讐するは誰にあり?
- 6 眠らない記憶の場
- 第二部 死者の記憶の場を考える
- 第3章 汝、死者を忘るるなかれ──公共空間と死者
- はじめに
- 1 アーレントと他人の死──死による誰のバケツリレー
- 2 死の解釈学
- 3 記憶する主体のアイデンティティ・ポリティクス
- 4 代理なき記憶
- 5 記憶の場再考
- おわりに
- 第4章 死者は事物に宿れり──死者の記憶の場としての世界
- はじめに
- 1 考古学的想像力から死者の記憶へ
- 2 「考古学的想像力と現代思想」前史
- 3 アクターなきネットワーク──痕跡と物質と動作の連鎖
- 4 ネットワークに宿る死者たち──死者の記憶としての物質世界
- 第三部 苦しむ経験を考える
- 第5章 自然悪の苦しみと宗教哲学──神義論的問題の再編成へ向けて
- はじめに──自然悪という概念は今なお有効なのか
- 1 広義の神義論の展開と問題の所在
- 2 神義論の宗教社会学──神義論は何を求めるか
- 3 生の根源における受苦の意味──アンリの神義論解釈
- 4 悪の苦しみへの抗議が求めるもの──世界の他なる尺度へ向かって
- おわりに
- 第6章 苦しみの叫び声は何を求めているのか──苦しみの現象学
- はじめに
- 1 神義論の基礎構造
- 2 二〇世紀神学における神義論の退潮
- 3 エイレナイオス型神義論の何が問題なのか
- 4 無用な苦しみと必然的な苦しみ──レヴィナスとアンリ
- 5 苦しみの「なぜ」が求めるもの──リクールの苦しみの現象学
- おわりに
- 第7章 不幸と抗議──抗議の神義論再考
- はじめに
- 1 神義論批判以後の神義論(1)──超越論的神義論
- 2 神義論批判以後の神義論(2)──弱い神の神義論
- 3 神義論批判以後の神義論(3)──抗議の(反)神義論
- おわりに
- 第8章 死という悪に死者は抗議できるのか
- はじめに
- 1 悪への抗議と死者
- 2 生の剥奪としての死の害
- 3 死は死者から何を奪うのか
- 4 再び、死をもたらす悪に対する抗議を考える
Last modified : 2019/10/28|南山大学人文学部キリスト教学科|学科トップページに戻る