南山大学社会倫理研究所は1980年5月に設立されました。(当初、南山経済倫理研究所という名称でしたが、翌年6月に改称されました。)南山大学はカトリック大学として、キリスト教精神のもとに、諸科学の統一と学問の本来の目的の回復を志向してきました。しかし、20世紀を通じて経済の成長が社会の急速な世俗化をもたらすとともに、自然科学や社会科学の発展が、学問分野の際限なき細分化、専門分化を引き起こしたため、「諸科学の統一」という理念を実現することは困難になっています。他方、世界はいまや環境問題、民族問題、グローバリゼーションに伴う富の偏在と貧困の拡大、戦争と平和、科学技術の社会的制御など、細分化した諸学によっては解決不可能な問題を抱えています。
このような状況の中で、南山大学は自然科学や社会科学の推進に十分な配慮をしつつ、「人間の尊厳のために」というモットーを掲げ、包括的な視点から現代社会における倫理的問題に取り組むべく、社会倫理研究所を設立したのです。