能ってどんな物?

 


 能とは、 室町時代につくられた舞踊演劇です。

 能とは、必要最低限の舞台装置しか用いない質素な芸術です。

主な使用物品:
面(おもて)
 ―顔にかぶる仮面
扇(おうぎ)
 ―手に持ち、落語の扇子のように様々な物の代用として使います。
   例)刀、羽衣、翼
装束(しょうぞく)
 ―美しい衣装

 能は、囃子によって成り立っています。

囃子(はやし)
 ―和楽器。笛、小鼓、大鼓、太鼓が使われます.
謡(うたい)
 ―情景や登場人物の気持ちを独特の声で描きます。ミュージカルでいうところのアンサンブル(?)。
舞(まい)
 ―独特な基本姿勢から運歩と呼ばれるすり足で移動し形式化された型をつなぎ合わせて舞います。

 能とは、当時の有名な話を脚色した物です。

 例えば、現在でも源義経(牛若丸)の伝説を知っている人って多いのではないでしょうか。当時は(時代が近かった分)もっと多かったのです。親から「桃太郎」と一緒に聞いた子供も多かったことでしょう。そこから「安宅」「橋弁慶」「屋島」「船弁慶」と言う能が作られました。
 変わったところでは豊臣秀吉が作らせた「明智討」と言う能もあります。・・・と言うことは、実は「忠臣蔵」と言う能があってもおかしくないんですね(笑)。
 もちろん話を知っている方がより楽しめますので、あらすじを読んでいくことをお薦めします(^^)

 能とは、想像力で見る物です。

 左の絵を見てください。

 「能」は囃子が流れ、そこで綺麗な装束、面をつけた人(シテ) が扇を持ってゆっくり動く、というイメージが一般的です。まさにそ のイメージは正しいのですが、これは能を表面的に見たまでに過ぎません。装束はともかく、なぜ面を付けて顔を隠したり、型通りの動きをしたりするのでしょう。

 面そのものの表情は変わりません
 しかし、舞台上ではこ の面には話の場面によって悲しそうに見えたり喜んでいるように見えたりするのです。表情の見え方は、見た人の心の持ちようによって違っ てきます

能は道具も動きも必要最低限のものしかないのです。

あとは観客の想像力で舞台を見るのです。

そう、能は、心で見るものなのです!