Yさんの留学体験記 (2015年5月)

留学先:リール第三大学付属語学学校DEFI

留学期間:2014年9月~2015年6月

留学形態:認定留学


フランス学科3年生Yさんによる留学体験記




Q.どうして留学することに決めましたか?
以前から留学願望はありましたが、決め手は一年次でのオルレアン研修でした。 一度訪れて、肌でフランスの生活を実感しておいて良かったと思います。今回の留学で以前学んだことを活かすチャンスになりましたし、 あらゆること(特に生活面での苦労において)を予め予測できたからです。 また、フランス語の上達はもちろん、思い切り現地の人々と同じように生活できる機会は今しかないと思いました。


Q.フランス(リール)での生活はどうですか?
リールはフランスの北、ベルギーよりに位置する都市で人口はそれほど多くないものの、オペラ座や美術館、歴史的建造物が多数あり、旧市街などはとても感じがよく綺麗で、天気の良い日はたくさんの人で賑わいます。年中を通して比較的涼しいです。 また、パリやブリュッセル、ロンドンなど主要都市に近く交通の便が良いのが、バカンス時には有り難いです。どちらもTGVという高速鉄道を使えば一時間もかからずアクセスすることができます。また、パリやその他の大都市ほど都会的すぎず、かといって田舎でもないので、勉強に集中できるだろうと思ったのもこの地を選んだ理由の一つです。 オルレアンのときと同様、大半の人々は優しいし、外国人に対しても親身に接してくれると思います。 パリに行くと英語で話しかけられることが多いですが、こちらの人は大半フランス語しか喋れないので、フランス語の上達にはなると思います。


Q.住まいの形態はどのようなものですか?その住居(寮/ホームステー/間借 り)はどうですか?
現在、ステュディオ(日本で言うアパート)を借りて住んでいます。住んでいる人は学生から社会人まで様々、ほとんどがフランス人ですが、 外国人もたまに見かけます。有料コインランドリーだけ共用で、ユニットバスやミニキッチンなどは各部屋に設置されています。水道代は家賃に含まれていて、電気代は別なのですが、一人暮らしの割に高くて当初はびっくりしました。冬は値段が更に上がるので、使いすぎないように気をつけていました。 実はフランスに着いた当初、間借りホームステイをする予定だったのですが、私の希望条件と大きく異なっていたためやむを得ず一人暮らしに変更しました。やはり実際に訪ねてみないと分からないし、多少リスクは承知していましたが、こういった事態もあるということも視野に入れておくべきだと思い知らされました。 もともと名古屋で一人暮らしをしていたこともあり、生活面で特に不安はありませんでしたが、最初の頃はやはり電気の手続きや支払い、荷物の受け取りなどをフランス語でやり取りするのは大変で、いつも周りの人に助けてもらっていました。バカンスで家を空けている間に玄関の電子キーが変えられて入れなくなったこともありましたが、一人暮らしの苦労から学ぶことは多いですし、生活力が身に付くと思います。


Q.(語学)学校の授業はどのようなものですか?そしてどうですか?
前期は週に約16時間ほどの授業がありました。入学前のテストで各レベルに振り分けられるので特に不安はなかったです。学科の先生たちは皆親切で、自分が想像していたよりももっと多くの、様々な国から来ている仲間たちに出会うことができて楽しいです。国際色豊かなクラスなので、それを応用した討論や国ごとの文化の比較もでき、フランス語だけでなく知識や視野も広がったように感じます。後期はレベルが上がり、同様に授業内容も濃くなり、プレゼンも増え、人前で話す時に自分の語彙不足を実感することが多いですが、皆で協力し合って最後まできちんと取り組もうと思います。


Q. 現地の人との交流などはできますか?また、それはどのようなものですか?
私たち留学生が属する外国語学部にはカフェがあり、多くの学生がそこを利用しています。留学生だけでなく、他の言語を学んでいるフランス人や先生たちでいつも賑わっています。新学期や、決まった日にちに各自が用意した料理を持ち寄ってソワレを開いたり、また希望者を募って団体旅行を企画してくれたりと、充実した留学生活をサポートしてくれる場でもあると思います。 こちらで生活すればある意味、毎日が現地の人との交流かとは思いますが、一人フランス人の友達ができたらその輪がどんどん広がっていき、気付いたら友達が増えていた、ということが多かったです。とにかく学内で行われるイベントや、ソワレなどに積極的に参加することは視野を広げたり、ストレスを発散したりするという意味でもとても良いことだと思います。


Q. 現状における留学についての感想など?
当初、とにかく異文化を楽しみながらフランス語を吸収して、自分の意見をしっかり言えるようになることが目標でしたが、現時点から言えばまだまだ足りない部分はあります。主に語彙、そして発言力です。口をついてすぐに表現が出てこず、悔しい思いをしたことも何度もあります。とはいえフランス語を始めて一年半の状態でこの地に来たのだから仕方ないとも思いました。やはりラテンアメリカ系や日頃アルファベットを使って生活している国の友人たちは吸収も早く流暢で、なんで同じクラスなんだろうと比べてしまうこともありました。しかしそんな状況で焦るよりも、自分のペースで勉強し、知っている表現を駆使し、発言を良くするように心がけてからはあまり周りが気にならなくなりましたし、自分が思っていることが伝えやすく、相手が思っていることも分かりやすくなったように感じます。 また生活面においては、予想以上に大変で面倒なことが多かったです。最初は楽しめる余裕がなくてこれが一年も続くのかと考えてはげんなりすることもありましたが、ある時、苦労や不便さから学ぶことの方が多いと気付き、それ以来体験したこと全てはいつか自分の自信に繋がるのだと、プラスに捉えるようになりました。この留学生活で鍛え上げられた批判的精神も、今では自分の強みですし、なにしろいかに自分が恵まれた環境で育ってきたか、身にしみて実感できたことが何よりの糧だと思います。自分を支えてくれる周りの人たちや家族に対する感謝の気持ち、そして日頃安全な毎日を送ることができる幸せに改めて気付くことができてよかったです。





学部のカフェのパーティー(ソワレ)の様子

パーティー(ソワレ)でクラスメートと

クラスメートとスケート

リールといえばムール貝

ダンケルクの浜辺で乗馬