5月下旬に地震に見舞われた中部ジャワのジョクジャカルタ一帯はヒンドゥー・仏教の影響を受けた古代ジャワ文化が開花した地域です。ユネスコの世界遺産に指定されたボロブドゥール寺院やプランバナン寺院があり、日本人観光客も多く訪れる地です。そのように日本人にとってもなじみがあるせいか、イベントには130名もの来場者があり、一般の方の姿が多かったです。
オープニングはガムラン(青銅でできた打楽器)の演奏でしたが、演奏するのは南山大学エクステンションカレッジの受講生の皆さん。初めて生のガムランを聞いた学生が「空気が違う」というため息をもらしました。ジョクジャカルタの町の成り立ちと発展が説明されたあと、「ジャワ宮廷舞踊ジョクジャカルタ式」の代表的演目「サリ・トゥンガル(花髄集)」が披露されました。優雅な動作で静謐に演じられる舞の中に高い精神性が感じられ、会場が静まりかえりました。続くスンダ(西ジャワ)の部用「カンダガン」は対照的にダイナミックな演技で会場を沸かせました。最後はインドネシア留学生によるジャワ歌謡でしたが、明るく優しい歌声がすっかりインドネシアにいる気分にさせてくれました。そのような観客の気持ちが伝わったのか、祖国での地震被災に心を痛めていた留学生も舞台に立って嬉しそうでした。
従来の大学のイベントでは見られない小さなお子さん連れの方も多かったです。お子さんの声もガムランの声が包んでいく感じでした。誰か来ても受け入れるのが「ジャワ」。そのようなジャワを満喫する市民交流、国際交流となったひとときでした。(文責:小林寧子)
|