チュラロンコン大学のチャイワット教授による講演は、これまでの日本とタイの歴史的関係に基づき今後の在り方を議論していただいたものであるが、多くの質問が出されるなど有意義なものだった。講演の内容は、(1)ヨーロッパ列強進出以前のタイ・日本関係(1300年から19世紀半ば)、(2)第一次世界大戦前までの関係、(3)戦間期の関係、(4)第二次世界大戦時の関係、(5)戦後の関係(経済、政治、安全保障)という5つの期間の関係を簡潔に説明したものであった。とくに、戦後期の関係が詳しく解説され、現在問題となっている自由貿易協定に関する両国の理解の相違をプリントを通じて明らかにしていただき、大変参考になった。英語による講演であり、講演と質疑応答は通訳を通して行なわれたが、中には英語での質問が直接出され英語で討論できたことは嬉しい驚きであった。終了後の個別的質問も多く、チャイワット教授もその積極性に感心していた様子であった。 |